マルチコア向けRTOS TOPPERS-Pro/FMP マルチコア対応でリアルタイム性と動的負荷分散を両立。TOPPERS-Pro/ASPとAPI 互換

当製品は、新規販売を終了しております。

TOPPERS-Pro/FMPは、NPO法人TOPPERSプロジェクトが開発したオープンソースカーネル「TOPPERS/FMP」をベースとした動的負荷分散マルチコア対応のRTOS(リアルタイムOS)です。

プロセッサコアへのタスクの静的割付けを基本としつつ、ランタイム時に動的に他のコアで実行できるAPIを備えることで、リアルタイム性と動的負荷分散を両立するカーネルです。

パフォーマンス向上のみならず、消費電力や熱抑制などを目的にマルチコアを利用する組込み機器が増えています。TOPPERS-Pro/FMPはそういったニーズに応えるパッケージです。

※第3世代TOPPERS対応製品はこちら

ブロック図

主な特長

  • シングルコア用TOPPERS-Pro/ASPとのAPI 互換性
  • さまざまなCPU、コンパイラ、開発環境に対応
  • 動的負荷分散型マルチCPU対応
  • タスクマイグレーション機能
  • コアごとのタスクスケジューリング
  • 組込み向けハイパーバイザー「SafeG」との組み合わせ実装可能(オプション)

対応環境

TOPPERS-Pro/FMPは基本的にはどのようなプラットフォームでも使用可能です。
現在対応済みのプラットフォームは以下の通りです。

対応CPU

  • ARM11 MPCore
  • Arm Cortex-M3/M4 MPCore
  • Arm Coretx-R5 MPCore
  • Arm Cortex-A7 MPCore
  • Arm Cortex-A9 MPCore
  • Arm Cortex-A53 MPCore

サポート機能

TOPPERS-Pro/FMPは以下の機能をサポートします。

サポート機能

ユーザーメリット

  • ユビキタスAIが提供する、豊富なミドルウェアが利用可能です。
  • 各社の開発環境、GNUなどの無償開発環境を、プロジェクトに応じて選択可能です。特定のベンダに縛られることがありません。
  • アプリケーションの動的負荷分散化を容易に行うことができ、かつ従来のµITRONのソフトウェア資産をほぼそのまま使用可能。開発期間を大幅に削減可能です。
  • コアの割付けはユーザーが任意に決めることが可能です。リアルタイム性重視のコアやアプリケーション処理専用のコアなど、自由に設計・配置することができます。
  • オプションの組込み向けハイパーバイザー「SafeG」を合わせて実装することで、Android/LinuxとTOPPERSとを複数コア上で実装することができます。「SafeG」を利用する場合、TOPPERSカーネル側のリアルタイム性は損なわれません。

技術サポート体制

専任の担当者による技術サポートを提供いたします。

移植・チューニング

ユビキタスAI が提供するソフトウェアの移植サービスからアプリケーションの開発受託サービスなどを、別途承っております。開発期間が短い場合やエンジニアリングリソースが不足している時など、お客様に代わり経験豊富なエンジニアが移植、開発作業を行います。

【技術コラム】マルチコアとマルチOS

一昔前まで、マルチOS を実現するためには物理的に複数のチップを実装するのが当然でした。そのためマルチチップ環境において、各チップ上のOSは完全に独立していました。

その後、半導体の集積化が進み、近年では組込みでもマルチコアが当たり前になりつつあります。マルチコア環境でのマルチOSでは、マルチチップ環境とは異なり、「各OSは独立している」とは言えなくなってしまいました。

結果として、マルチコア環境でマルチOSを実現する場合、OS間では以下のことを考慮する必要があります。

  • サブコアの電源管理
  • OS間でのリソース保護
  • OS間での割り込み優先度調停

これらへの対応が不十分だったために、複数チップを統合したことによるコストダウンよりソフトウェア開発のコストが大きくアップした、などという事態は避けたいものです。

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