JPEG 2000ツールキット Kakadu SDK JPIP規格やJPXファイルフォーマットに対応したJPEG 2000画像処理SDK

Kakadu SDK は、JPEG 2000 開発者向けのソフトウェアツールキットです。

JPEG 2000 は、JPEG 圧縮の弱点だったモスキートノイズやブロックノイズの発生といった問題を解決するために策定された次世代の画像圧縮規格で、ISO/IEC 15444 シリーズにおいて規格が標準化されています。高圧縮でもノイズの発生を抑制できるウェーブレット変換技術や、オリジナル画像の品質を劣化させずに画像圧縮が可能なロスレス圧縮のモードに対応しているので、図書館の保存用写真、病院の医療用画像や DICOM 規格との連携、人工衛星画像用などのフォーマットとして、多くの事業分野で注目されています。

その一方で、JPEG 2000 規格の実装は非常に難易度が高く、専門性を持った人材であっても数年を要すると言われています。

Kakadu SDK は、高いスループット、省メモリに加え、高度な理解を要する JPIP 規格や JPX ファイルフォーマットの広範な仕様に対応した唯一の SDK です。Kakadu SDK を使用することによって、高度かつ複雑な JPEG 2000 規格への対応期間を大幅に削減できます。

主な特長

  • C++ で記述された SDK(オープンソース不使用)
  • Java ネイティブインターフェースに対応、Java 言語から Kakadu SDK を利用可能
  • C# および Visual Basic の他言語バインディングのビルドを自動化
  • マルチスレッド処理(複数 CPU、マルチコア CPU、ハイパースレッディングなど) に対応。シングルスレッド処理モデルのほか、マルチスレッド、マルチコアによる並列処理モデルもサポート
  • 高度に設計されたスレッドスケジューラ。マルチスレッド環境を作成し、各物理/バーチャルプロセッサに一つのスレッドを配置することで、100%に近いコンピューティングリソース使用率を達成可能

主な用途

二次元画像・三次元ボリューム画像圧縮

Kakadu SDK は、任意の圧縮率で画像を圧縮できます。テラピクセル以上になる巨大な画像データの断片的な圧縮や、画像を劣化させない可逆ロスレス圧縮も可能です。また、医療用に、応用技術のマルチコンポーネント変換を使った画像圧縮も可能です。

画像伸長/レンダリング

JPEG 2000 フォーマットのコードストリームからのストリーム伸長が可能です。あらゆる JPEG 2000 フォーマット(raw コードストリーム、JP2 ファイル、JPX コンポジットレイヤ、JPX アニメーションフレーム、MJ2 ビデオフレームなど)を伸長し、画像生成(レンダリング)が行えます。

関連する表現間でのトランスコーディング

JPEG 2000 でフォーマットされた画像を、異なる JPEG 2000 モードにトランスコード処理ができます。

インタラクティブなレンダリング

インタラクティブ(または非線形)な伸長やレンダリングを容易にします。静止画から、医療用三次元ボリューム画像、動的に形成されたスプライト・メタデータのオーバーレイ・モーションビデオが複雑に入り混じったアニメーションなど、さまざまな動画をインタラクティブに生成可能です。

インタラクティブなクライアント/サーバーアプリケーションに幅広く対応

Kakadu SDK は、JPEG 2000 の通信規格 JPIP(JPEG 2000 Internet Protocols)の主要な機能をサポートしており、インタラクティブなクライアント/サーバーアプリケーションに幅広く対応しています。ブラウズには、最新規格に含まれるインタラクティブなブラウズ機能をサポートしているので、静止画やメタデータマークアップ付きの医療用ボリューム画像など、多くの画像を効率的に利用できます。

デジタルシネマ

Motion JPEG 2000 のコンテンツ生成、編集、レンダリングなどに利用可能です。

システム要件

  • CPU 非依存、32ビット/64ビット CPU で動作可
  • OS 非依存、汎用 OS(Linux/Windows)、各種 RTOS、OS 非搭載環境で動作可
  • ISO 標準 C++コンパイラ、C++ライブラリ準拠

技術サポート体制

専任の担当者による技術サポートを提供します。

本製品の開発企業

Kakadu Software Pty Ltd

Kakadu SDK を開発した Kakadu Software Pty Ltd は、JPEG 2000 技術と実装に関するリーディングカンパニーです。

Kakadu SDK は、包括的かつ高度に最適化された JPEG 2000 のツールキットです。JPEG 2000 で使用されているアルゴリズムの1つ、EBCOT の開発者であるオーストラリアのニューサウスウェールズ大学(UNSW)のDavid Taubman によって開発され、保守され続けています。これまで、商用・研究用として 200 以上の採用事例があり、アップル社の QuickTime の JPEG 2000 エンジンや、また Google Earth でも使用されています。