自動運転車のデータプライバシー問題を解決―DXCテクノロジー社とbrighter Redactのコラボレーション

❝brighter Redactの匿名化技術は、顔やナンバープレートを単にぼかすだけではありません。顔の特徴や身体的属性を認識したうえで、そのデータを機械学習モデルの習得に使用することができるからです。技術的な革新性と効果的な個人のプライバシー保護という2つのテーマを両立させており、他の修正技術とは一線を画しています。重要なのは、この手法により、録画した映像がGDPRなどで規定されている厳格なデータ保護ガイドラインに準拠していることが保証されることです。
- Philipp Wende, Senior Consultant Automotive & Innovation Program Lead, DXC Technology Company
- Sunil Samantaray, Chief Technologist Robotic Drive, DXC Technology Company

採用企業

米国に本社を置くDXC Technology Company (以下DXC社)は、B2Bの情報技術サービスを提供する多国籍企業です。DXC社はフォーチュン500のグローバルITサービスリーダーであり、13万人超の従業員を擁し、70カ国以上で事業を展開しています。2020年の売上高は、195億8,000万ドル。

DXC社は、自動運転車の開発を加速させるための「DXC Robotic Drive」を提供しています。このプラットフォームは、データ収集、保存、分析から進化した知識の展開まで、自動運転技術の開発プロセスの実行スピードを加速させるソリューションであり、大手OEMやTier-1を支援し、自動運転車開発の最前線を推進する重要な試みの1つとなっています。

DXC Robotic Driveの革新性

DXC Robotic Driveプラットフォーム上でダイレクトにスケーラブルなセットアップ車載とそれ以外も対応したGDPR対応ソリューション機械学習可能かつ個人特定不能な合成された個人情報の代替データ

課題

自動運転車の開発を加速させるため、DXC Robotic Driveプラットフォームのユーザーは、動画を含む数百ペタバイトのデータを処理する必要があります。特にこのデータを保存、処理、共有する場合、GDPRなどのプライバシー規制に準じて、顔やナンバープレートなどの個人を特定できる情報を保護することが極めて重要です。また、「プライバシーの確保は、政府の規制を満たすだけの問題ではない」とDXC社は述べています。「自動運転車メーカーを含むすべての企業は、顧客や社会に対して社会的責任を負っているのです。」DXC社の顧客にとって、コンプライアンス、スケーラビリティ、スピードはすべて重要な要件であるため、DXC社は、Robotic Driveプラットフォーム上で直接、堅牢かつ正確な自動匿名化ソリューションを提供したいと考えています。

解決策

DXC社は、bright AI社の画像匿名化ソフトウェアbright RedactをDXC Robotic Driveプラットフォームに統合し、機能強化することを決定しました。brighter Redactは、精度の高い個人情報匿名化ソリューションに加えて、機械学習モデルのトレーニングとデータの互換性を保ちながら、人々のアイデンティティを保護するために顔やナンバープレートの置き換えを合成して生成するDeep Natural Anonymizationを提供します。brighter Redactコンテナは、DXC Robotic DriveのスケーラブルなGPUクラスタへ容易に統合できたので、わずか数週間で最初の話し合いから統合ソリューションへと移行することができました。

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結果

DXC社は、Robotic Driveプラットフォームにbright Redactを統合することに成功し、自動運転車の開発のために大規模で強力なデータ保護を提供することが可能になりました。このソリューションは現在、自動車業界以外のDXC社の顧客にも提供されており、GDPRに準拠するためにペタバイト級のデータをシームレスに匿名化することができます。また、Deep Natural Anonymizationでは、データ品質に妥協することなく、匿名化を行うことができます。

採用製品:
brighter Redact