エッジAI・機械学習ライブラリ Ekkono SDK 非力な組込みマイコンで自己学習し、IoT機器をスマートデバイス化

Ekkono(エコノ) SDKは、IoTシステムのエッジサイドの機械学習に特化して開発されたソフトウェアライブラリです。事前に学習させたモデルを推論に使用するだけの従来型とは異なり、デバイス上で設置・稼働環境のデータを学習し続けるエッジ自己学習(Incremental Learning)の機能が特長です。このエッジ自己学習により、個々の端末ごとに最適化されたAIモデルに進化させることができます。インターネット接続環境がなくても、最小でArm Cortex-M0+クラスのマイコン上でエッジ自己学習・推論が可能です。

予知保全、CBM(Condition-based maintenance)、セルフコンフィギュレーション、パフォーマンス最適化などのシステムに適応し、スウェーデン語で「recognition(認知力)」を意味するEkkonoの名を持つEkkono SDKは、IoT機器のスマート化による新しいビジネスモデルを創出します。

Ekkono SDKの紹介
※ccボタンをクリックすると日本語字幕が表示されます。

なぜエッジAIか?

現在主流となっているAI技術では、クラウドサーバーで学習を行っています。例えば、フリートマネジメント(物流における車両管理の最適化)なら、車両データの可視化、分析、最適化に活用するためのデータをすべてクラウドサーバーにアップロードすることになります。しかし、クラウドサーバーに接続されるセンサー機器が多くなるにつれ、生成されるデータ量は膨大なものとなり、未加工の生データを毎秒クラウドに上げて管理するようなことは現実的ではなくなります。
しかし、生データを無作為に捨ててしまうと、クラウドにアップロードされなかったデータ内に小さな異常があっても、それを発見して適切な処置を行うことが困難になります。
また、リアルタイムのアクションが求められるタイムクリティカルなシステムでは、エッジでデータを収集するだけでなく、そのデータに基づいてAI学習を行い、即座にデバイスの制御のためのフィードバックを行うことが求められます。

この課題を解決する手段がエッジ側にあるデバイスのスマート化です。Ekkono SDKによりエッジ側デバイスで高精度、高頻度のデータ収集、分析、監視をすることで、接続性が限られた環境で稼働するデバイスや、トラックのような移動体でもデータ分析、機械学習が可能になります。

また、Ekkono SDKのユニークなエッジ自己学習機能は、従来型の事前学習で作成した単一のモデルをただ実行するのではなく、各デバイスが稼働環境の変化を自動学習し、端末ごとにモデルを最適化することで、デバイスをさらに進化させることができます。例えば、車に走行時の天気や交通状況を学習させたり、芝刈り機に自分の庭の特長を学習させたり、といった使い方が考えられます。クラウドサービスと併用する場合でも、個々の端末の稼働環境というコンテクストを付け加えることで、収集する情報をよりリッチで意味のあるものにできます。

主な特長

完全独自開発コード、オープンソース不使用

エッジ自己学習機能

エッジでの高周波信号データ(音声、振動、電流、電圧など)処理用エンジン提供

ソースコード提供(C++またはCベース)

その他、C#、Java、C、Pythonなど多様な言語のAPIからの利用にも対応

小フットプリント設計

最小でArm Cortex-M0+クラスマイコンに対応

プラットフォーム(CPU、RTOS、コンパイラ)非依存設計

複数の機械学習手法をサポート

  • Random Forest(ランダムフォレスト)
  • Linear Regression(線形回帰分析)
  • Multi-Layer Perceptron(多層パーセプトロン)
  • Regression Tree(回帰ツリー)

複数入力・複数出力に対応

現時点ではC++エンジンのみで対応

Ekkono SDKを使用したデモの紹介

※ccボタンをクリックすると日本語字幕が表示されます。

技術サポート体制

電話、E-mailによる技術サポート

本製品の開発企業

Ekkono Solutions AB

本製品を開発したEkkono社は、スウェーデン発のエッジ機械学習リーディングカンパニーです。

エッジにフォーカスして最適化されたEkkono SDK は、その性能が評価され、大手の車載、産業機器ベンダーなどへの採用実績があります。
また、独自の先進的な技術が認められ、数々の受賞実績があります。

最近の受賞実績の一例:

  • 2021 Red Herring TOP 100 Europe
  • University Startup World Cup 2021
  • Siemens Future Energy Hack at EXPO 2020 in Dubai