OPC UAソリューションをシームレスに実装し、業務がより効率的に―Matrikon社事例
"Matrikon社のサービスとソリューションは高性能です。Matrikon社のOPC UA SDKは、業界で最小のフットプリントという点がとても素晴らしく、このOPC UAソリューションをシームレスに実装して、迅速に対応できることで、業務がより効率的になりました。"
- Alexandre Felt, Project Manager AREVA GmbH
背景
AREVA GmbHは、AREVAグループの会社で、ドイツのErlangenに本社があります。主に、電気システムおよび計装制御(I&C)テクノロジーや、原子力発電・再生可能エネルギー産業向けのモニタリング・診断(M&D)用の製品を販売しています。AREVAブランドは、世界的な専門知識と実績のある高い性能で知られています。
AREVAでは、SIPLUGⓇというバルブのモニタリング端末を販売しています。この端末は、バルブのアクチュエーターモーターが消費する電流・電圧を計測して、バルブの状態を評価します。この評価は、原子力発電やその他規制のある産業で要件となる、システムの操作性の証明に使用されます。
現在、AREVAの製品は世界中(ヨーロッパ、スカンジナビア半島、中国、南北アメリカ大陸など)で、何千というバルブのモニタリングに使われています。
図1 - AREVA社のSIPLUGⓇバルブモニタリング端末
導入メリット
Matrikon社のFLEX™ OPC UA SDKの実装により、AREVAとAREVA顧客の満足度が向上しました。エンドユーザーからすると、ネイティブなOPC UAコネクティビティがあることで、部品を追加することなく、AREVA製品を直接インフラに結びつけることができます。OPC UA SDKのフットプリントの小ささは、AREVAがサプライヤーに求める要件も満たしています。MatrikonⓇ FLEX™ OPC UA SDKがOPC Foundationの認証を受けていることも、新しい市場機会の獲得に役立つものとして、ふさわしい製品に投資できたというAREVAの自信につながっています。
変化したこと
AREVAのSIPLUGⓇは、現在、原子力発電の分野で、システムの稼働に影響を与えずに重要なシステムを遠隔モニタリングするために使われています。他の原子力発電市場向け製品と同様、SIPLUGⓇも元々は独自の通信プロトコルを使用していたため、データのバッファリングやデータ分析等あらゆることに活用される既設のプラントインフラとの統合が非常に難しい課題となっていました。
AREVAは、以下の理由からオープンなコネクティビティソリューションへの移行を目指していました。
統合が簡単にできる
AREVAは、レポートツールとヒストリアン製品がSIPLUGⓇで取得したデータに直接アクセスできるようになるソリューションを探していました。これにより、追加のドライバーやインフラが不要になるためです。現場で確認する圧力や温度などの指標を追加で確認できれば、データ評価時の正確性や適切性を向上させることができます。
OPC UA SDKによって、センサー・コントローラー・端末レベルがネイティブでOPC UAのコネクティビティを得たので、すべての端末が統合された環境をエンドユーザーに提供できるようになりました。
セキュリティと信頼性
セキュアなコネクティビティの重要性が高まり、インフラへの潜在的な攻撃に常に対応するため、AREVAは自社製品に高レベルのセキュリティを担保しています。
データ接続をセキュアに保つため、OPC UAがネイティブに端末内で稼働することをAREVAでは条件としています。
OPC UAには、各OPC UAアプリケーション用に構築された、標準の最新セキュリティモデルが搭載されています。OPC UA が搭載された機器を導入することで、お客様の信頼を獲得し、相互運用性を向上させることができます。
市場の拡大
AREVA は、接続性の懸念をなくして、バルブモニタリング・ 分析ソリューションを販売したいと考えていました。専門的な製品を扱う多くのベンダーと同じように、AREVAは石油・ガス産業のような、同じソリューションが求められる市場でのシェアを拡大したいと考えていました。端末レベルにプラットフォームやOS非依存のOPC UA規格を組み込むことで、製品にOPC UAの技術導入を考えているデバイスサプライヤーには、これまでにない機会が生まれます。
ソリューション
AREVAは、ARMⓇ Cortexプロセッサ用に使用・検証済みで、唯一のOPC Foundation認証済みSDKである Matrikon社のOPC UA SDKをSIPLUGⓇに採用しました。Matrikon社のソリューションは、業界で最小のフットプリントで、AREVAの子会社であるEURIWAREのテクニカル・エキスパートから特に支持されました。Matrikon製品は、OPC業界での知名度が高く、AREVAでのSDK移植に際しても、手厚いサポートを受けることができました。Matrikon社のOPC UA SDK は、RAMベースのアドレススペースを使用しており、臨機応変に設定が可能です。ANSI Cのリンクが可能なソフトウェアが組み込まれており、対応可能なセッション、サブスクリプション、監視対象アイテム、およびアドレススペースのノードの数は、ユーザーのターゲットリソースのみに依存し、それ以外の要素から影響を受けることはありません。また、ヒープベースのメモリ割り当てを使用しないため、信頼性を最大限に担保します。
AREVAがMatrikon OPC UA SDKを導入してしばらく経ちますが、順調に稼働しています。現在はすべてのSIPLUGⓇ製品にOEMベースでSDKを導入する計画です。
Matrikon社について
OPC技術のリーダーであるMatrikon社は、製造業に大きな価値をもたらしてきました。Matrikon社は、デスクトップからマイコンレベルまで幅広い対象にOPC UA技術を提供しています。組込み向けのOPC UA技術がこれまでの製品を補完し、今後も拡大していくエンタープライズオープンデータコネクティビティ市場に接続される新しいデバイスの最前線で地位を築いています。
本社所在地 :カナダ / URL:https://www.matrikonopc.com/
MatrikonⓇ FLEX™ OPC UA SDK
MatrikonⓇ FLEX™ OPC UA SDKは、組込み製品に対して簡単かつ素早くOPC UAサーバーを導入できるソフトウェア開発キットです。拡張性が高く、規格に準拠した本SDKでは、センサーやアクチュエーターからPLC、さらにリッチなものまで、さまざまなクラスのデバイスに簡単に組み込むことができます。このSDKは、最小のROM/RAM構成から、大きいデータセットを使った複数の同時クライアント接続構成まで、さまざまな形で最適化することが可能です。どんなOPC UAクライアントからでも、マウスを使って簡単な操作をするだけで設定・管理・モニタリングができ、製品の価値向上に役立ちます。
- 日本代理店
株式会社ユビキタスAI
www.ubiquitous-ai.com