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株主・投資家の皆様には、日頃から格別のご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
当社グループの2023年3月期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の決算を発表いたしました。業績の概要及び事業状況について、以下のとおりご報告申し上げます。
2023年5月15日
株式会社ユビキタスAI
代表取締役社長 長谷川 聡
当四半期の連結業績は、売上高1,938百万円、営業損失84百万円、経常損失76百万円、親会社株主に帰属する当期純損失148百万円となりました。
■2023年3月期 業績の概要
(単位:百万円)

※四半期純利益:親会社株主に帰属する四半期純利益
2023年3月期の決算説明資料は、こちらでご確認いただけます。
■ソフトウェアプロダクト事業
ソフトウェアプロダクト事業の売上高は619,344千円(前期比10.2%減)、セグメント損失は23,338千円(前期は136,155千円の利益)となり、売上・利益ともに前期を大きく下回る結果となりました。これは、前年第2四半期においてセキュリティ関連製品の大口案件で売上・利益を計上したこと、及びデータベース関連製品の既存顧客がコロナ禍で製品の生産に大きな影響を受けたこと、並びに組織再編により当事業における当期の人件費が増加したことによるものであります。
コネクティビティ、セキュリティ&リアルタイムOS関連製品では、車載機器関連及びホームエナジーマネジメントシステム関連の既存顧客、産業機器及び医療機器関連の新規顧客からの契約時一時金売上を計上いたしました。また、半導体メーカーとの協業取り組みの一環として、受託開発売上を計上いたしました。
高速起動製品では、国内外の車載機器関連、海外民生機器の既存顧客からのロイヤルティ売上を計上いたしました。引き続き、カーナビゲーションシステム等車載向け機器を中心に、複数社との間で大・中規模の開発案件を実施しております。
データベース製品では、産業機器等の既存顧客からのロイヤルティ売上等を計上いたしました。
2022年5月、Linux/Android高速起動ソリューション「Ubiquitous QuickBoot」の同年4月末時点での累計出荷ライセンス数が全世界で6,000万本を突破したことを発表いたしました。
同年6月、マルチコア向け商用リアルタイムOS「TOPPERS-Pro/FMP3」が、ルネサスエレクトロニクス株式会社の最新マイクロプロセッサRZ/T2Mグループに対応し、販売開始したことを発表いたしました。
同月、組込みシステムを構成するリアルタイムOS、ネットワークスタック及びアプリケーション等のミドルウェアを動作確認済みのパッケージにした新製品「Ubiquitous RTOS IoT Enabler」の提供を開始したことを発表いたしました。
同年11月、ルネサスエレクトロニクス株式会社のRAファミリMCUに対応した、短期間でセキュアかつスマートなIoT機器を開発するためのオールインワンソフトウェアパッケージの提供を開始したことを発表いたしました。
2023年3月、組込み開発者向けに、次世代通信プロトコル「Ubiquitous QUIC」の提供を開始したことを発表いたしました。
■ソフトウェアディストリビューション事業
ソフトウェアディストリビューション事業の売上高は1,006,846千円(前期比3.0%増)、セグメント損失は93,045千円(前期は141,872千円の損失)となり、売上・利益ともに前期を上回る結果となりました。
BIOS製品「InsydeH2OⓇ」(「EFI/UEFI」仕様を実装したC言語ベースBIOS)、ワイヤレス製品「Blue SDK」(Bluetoothプロトコルスタック)のロイヤルティ売上、ソフトウェア品質向上支援ツール製品「CodeSonar」(ソフトウェア静的解析ツール)のライセンス売上、ネットワークマネジメント製品「ConfD」(オンデバイスネットワーク機器管理用ソフトウェア)のロイヤルティ売上、サイバーセキュリティ対策製品「beSTORM X」(IoTセキュリティ検証ツール&サービス)等の多数の取扱い製品において、新規・既存顧客からのライセンスロイヤルティ売上等を計上いたしました。
2022年6月、Avassa Systems AB(本社:スウェーデン)と販売代理店契約を締結し、同社が開発したエッジデバイス上にあるアプリケーションの一元的なライフサイクル管理を可能にするプラットフォーム「Avassa Control Tower」の提供を開始したことを発表いたしました。
同年8月、softwareQ INC. (本社:カナダ)と販売代理店契約を締結し、同社が開発した量子コンピューター向けコンパイラ「staq」とシミュレーター「Quantum++」の提供を開始したことを発表いたしました。
同年9月、需要の拡大する車載ECU制御ソフトウェア開発者の実践的かつ効率的な育成をサポートするための学習パッケージ「GTrainer」を開発し、販売を開始したことを発表いたしました。
同年11月、Brighter AI Technologies GmbH(本社:ドイツ)の画像・映像匿名加工ソリューション「brighter Redact(ブライターリダクト)」の提供を開始したことを発表いたしました。
2023年2月、車載ECUソフトウェア開発向けシミュレーションツール「GSIL」がCarSim、AIC Compactと連携し、ドライビングシミュレーターでAIモデルを使用した仮想ECUを検証可能になったことを発表いたしました。
当期において新たに販売を開始した製品は、以下のとおりです。
・エンジニア向け見積もり作成ナレッジシェアツール「Engineerforce」 (日本:株式会社Engineerforce)
・エッジデバイス一括管理プラットフォーム「Avassa Control Tower」 (スウェーデン:Avassa Systems AB)
・量子コンピューター向けコンパイラ「staq(スタッキュ)」(カナダ softwareQ INC.)
・量子コンピューター向けシミュレーター「Quantum++(クウォンタムプラス)」(カナダ softwareQ INC.)
・ECU制御ソフトウェア開発者向け学習パッケージ「GTrainer」
・デバイスマネジメント向けソリューション「FTTHデバイスマネジメントプラットフォーム」(Friendly Technologies)
・映像匿名加工ソリューション「brighter Redact」(Brighter AI Technologies GmbH)
・製造業DX向け機械学習ツール「Profet AI AutoML」(Profet AI Technology Co., Ltd.)
■ソフトウェアサービス事業
ソフトウェアサービス事業の売上高は312,098千円(前期比20.1%減)、セグメント利益は32,282千円(前期比61.3%減)となり売上・利益ともに前期を大きく下回る結果となりました。
ソフトウェアサービス事業では、既存顧客との各種受託開発売上、データコンテンツ「YOMI」に関する車載機器向けを中心としたライセンス使用料売上等を計上いたしました。コロナ禍のサプライチェーンへの影響による受託開発案件の期ずれ及び失注に伴い受託開発の売上が減少、また車載機器関連のCD再生機能搭載モデルの出荷減少に伴いライセンス使用料の売上が減少となりました。
■その他
2023年3月、株式会社ライトストーンの全株式を取得して子会社化することに関し、同社株主との株式譲渡契約の締結について決議し承認されたことを発表し、同年4月1日、同契約を実行いたしました。
2022年5月、株式会社Engineerforceと販売代理店契約を締結し 、同社が開発した、エンジニア向け見積もり作成ナレッジシェアツール「Engineerforce」の販売を開始したことを発表いたしました。
同年6月、当社は、組込みソフトウェアの開発技術力と大手製造業中心の顧客基盤を軸に、これまでの組込みソフトウェア開発と販売にとどまらず、製造業顧客が必要とする幅広いテクノロジーとサービスを提供していくこと及びその一環となる製造業向けビジネスプラットフォーム「HEXAGON(ヘキサゴン)」を発表いたしました。
同年10月、アルサーガパートナーズ株式会社との間で、同社が支援する国内スタートアップ企業の製品・サービスを、「HEXAGON」を通じて提供することで合意したことを発表いたしました。
同月、アジアのスタートアップに投資を行うベンチャーキャピタルであるHeadline Asiaと、国内最大級の招待制スタートアップカンファレンス「IVS」を運営するIVS株式会社との間で、製造業向けビジネスに取り組むスタートアップの支援で連携していくことを発表いたしました。
同年11月、案件ごとに異なるAI開発の課題やニーズに対し、AIソフトウェア・関連ツールの提供のみに留まらず、スタートアップ企業の先進AIソリューションを利用してお客様に一貫して最適なAI開発をサポートする「AIプロフェッショナルサービス」を、株式会社AIBOD及び株式会社pluszeroと共同で提供開始したことを発表いたしました。
2023年2月、株式会社ハートビーツと業務提携し、同社が提供する脱PPAPを加速させる重要ファイル転送プラットフォーム『Kozutumi』に関する販売代理店契約を締結したことを発表いたしました。
同月、ウエストユニティス株式会社との間で、同社が製造する産業用スマートグラス「InfoLinker遠隔支援ソリューション」の販売及び事業連携について合意したことを発表いたしました。
同月、ZETANE Systems社と販売代理店契約を締結、AIのロバスト性向上支援ツール「ZETANE Protector」「ZETANE Insight Engine」を提供開始することを発表いたしました。
同年3月、「HEXAGON」への賛同企業・団体が計38企業・団体となったことを発表いたしました。なお、5月15日現在では43企業・団体となっております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,938,288千円(前期比5.8%減)、営業損失84,102千円(前期は77,630千円の利益)、経常損失76,179千円(前期は90,943千円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失148,179千円(前期は39,696千円の損失)となりました。
2023年3月期は、中期経営計画の1年目として、連結売上高2,152,000千円、営業利益5,000千円を目指し取り組んで参りました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症、ロシア・ウクライナ情勢によるサプライチェーンの影響が引き続き当社業績にも大きな影響を及ぼしました。新規案件の引き合いは回復したものの、半導体を中心とした部品不足やロックダウンによる顧客の製品生産や新製品開発の遅延・キャンセルなどが、当社のロイヤルティや受託開発売上に大きく影響しました。加えて、4月1日付けで株式会社ライトストーンの子会社化を実現しましたが、これに関わる費用の発生なども有り、当連結会計年度では84,102千円の営業損失を計上となりました。
中期経営計画とともに発表いたしました、製造業向けビジネスプラットフォーム「HEXAGON」の取り組みにつきましては、賛同・連携企業・団体が累計38社(3月31日時点)となりました。賛同ベンチャー・スタートアップ企業の製品・サービス販売の取扱件数も順調に増加しております。その他の賛同企業・団体とも具体的な取組みへの検討が始まっており、これまでの組込みソフトウェア製品に限らず、新たな取り組みを引き続き強化してまいります。
2024年3月期は、ロシア・ウクライナ情勢やアメリカの対中輸出規制等、経済への悪影響が懸念される事象が続いておりますが、新型コロナウイルス感染症による世界的な行動制限の緩和による経済への好影響が見込まれ、自動車関連や産業機器向けの半導体不足による生産への懸念があるものの、当社顧客である製造業へも好影響となることが期待されます。本年は中期経営計画の2年目となりますが、2023年4月1日の株式会社ライトストーンの子会社化により連結売上高は計画値を上回り、3年目の計画に近い水準を目指します。また、この子会社化により、製品ポートフォリオを追加し、新たな顧客基盤の確保と事業活動の幅を拡げることを実現いたしました。引き続き、事業基盤の強化と安定化に向けて取り組んでまいります。
「製造業向けビジネスプラットフォーム「HEXAGON」の取り組みも2年目を迎え、更なる進化に向けて取り組んで参ります。
なお、株式会社ライトストーンの子会社化により、中期経営計画の修正を実施いたします。これにつきましては、後日、公表させていただきます。
これらの取り組みを通じ、株主価値のより一層の向上に努める所存でございます。
株主の皆様におかれましては、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
※本文に記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。