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2017年06月14日
株式会社エーアイコーポレーション

米国OnBoard Security社と代理店契約を締結 ~TPM2.0用ソフトウェアスタック(TSS2.0)、V2Xセキュリティ通信(Aerolink)、耐量子暗号化技術(NTRU)の日本向け提供を強化~

株式会社エーアイコーポレーション(本社:東京都品川区、代表取締役社長:加藤 博之、以下「エーアイコーポレーション社」)は、米国OnBoard Security, Inc. (米国マサチューセッツ州、Chairman: Ed Adams、President: Peter Samson、以下「OnBoard Security社」)とOnBoard Security社のセキュリティ関連3製品、TrustSentinel(TSS2.0)、V2Xセキュリティ通信(Aerolink)、耐量子暗号化技術(NTRU)の国内販売総代理店契約を締結しました。今後OnBoard Security社は上記製品の日本市場向け販売を、販売代理店のエーアイコーポレーション社を通じて積極的に展開します。またグループ企業の株式会社ユビキタス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:佐野 勝大、以下「ユビキタス社」)と連携し、ユビキタス社の持つセキュリティの知見と技術力を生かしたソリューションの提案を共同で行ってまいります。

TrustSentinel 2.0 (TSS 2.0)

TrustSentinel 2.0は、TPM2.0用ソフトウェアスタックであるTSS(TCG Software Stack)仕様バージョン2.0に準拠したミドルウェアで、TCG規格対応のTPMチップであればベンダを問わずご利用いただけます。このミドルウェアを使用することで、TPMの機能をアプリケーションから使用可能となります。TPM2.0からは、従来のPC(Windows 10 PCはTPM2.0搭載が必須)向けに加え、今後IoT対応が進みクラウドやネットワーク接続が前提となる組込み機器や車載関連のプロファイルも検討されているので、これらの用途を目的とするお客様にもTPMを活用していただけるようになります。OnBoard Security社のLee Wilson氏がChairmanを務めるTCG TSS委員会ではTCG規格を策定しており、その知見がTrustSentinel 2.0の規格の準拠性、製品としての品質にも高いレベルで活かされています。

「TrustSentinel 2.0」製品紹介

Aerolink

Aerolinkは、車両間(Vehicle-to-Vehicle、V2V)および車両-インフラ間(Vehicle-to-Infrastructure)通信用のセキュリティ規格である、IEEE1609.2に準拠したミドルウェア製品です。ソフトウェアとハードウェアを統合し、V2Xのセキュリティとパフォーマンスを最適な組み合わせで実現します。Aerolinkは、商用としてV2X機能を初搭載した2017年のCadillac CTSモデルに採用されています。また、ルネサス エレクトロニクス社では、R-Car V2Xリファレンスデザインに早くからAerolinkをご採用くださり、米国ミシガン州のV2X実証実験、Safety Pilotプロジェクトに採用されています。OnBoard Security社のチーフ・サイエンティスト、William Whyte氏は、長らく、IEEE 1609.2(米国の自動車用セキュリティおよびプライバシー要求仕様)のテクニカル・エディタを務めています。また、セキュリティ証明書管理システム(SCMS)や公開鍵基盤(PKI)において豊富な経験があり、V2X導入を手がけるプロバイダに向けたコンサルティングサービスの実績もございます。

NTRU

量子コンピュータの実用化は、これまで予想されていたより早く実現すると考えられています。現在標準的に使用される、公開鍵暗号方式である「素因数分解問題に基づくRSA」や「楕円曲線離散対数問題に基づくECC」などは、量子コンピュータで簡単に破られてしまうことが明らかになっています。RSAやECCは現在のインターネットの世界で標準的に公開鍵暗号基盤として使用されているSSL/TLSでも利用されており、量子コンピュータの実用化によるリスクが現実的な問題となっています。NTRUは、格子ベースの公開鍵暗号方式で耐量子暗号の一つとして、IEEE1363.1およびANSI X9.98で国際標準化されており、RSAやECCの代替としてこれから広く利用されることが期待されています。来る量子コンピュータ攻撃に備えたセキュリティを検討している会社や組織には、第一にご検討いただいているソリューションです。

※ 本リリースに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。

  • OnBoard Security社について
    OnBoard Securityは、2017年にSecurity Innovationのセキュリティ製品部門の分離により設立されました。世界的に著名な専門家を筆頭に、10年以上に渡り先進的な製品の開発に取り組んでいます。
  • 株式会社ユビキタス(証券コード:3858)について
    ユビキタス社は、2001年に創業された組込み機器向けを中心としたコンピュータソフトウェアの開発・ライセンスを行う企業です。ユビキタス社会において必要となる、ネットワーク関連(ホームネットワーク関連・暗号技術を含む)、データベース、システムの高速起動技術などの多数のソフトウェアとサービスを提供するとともに、ユビキタス・AIコーポレーション グループとして、エーアイコーポレーション社と協同して活動しています。ユビキタス社は、他と差別化された製品群で、ユビキタス社会の要請に応えます。
    本社所在地 : 東京都新宿区西新宿1-21-1明宝ビル6F / URL:https://www.ubiquitous-ai.com
  • ユビキタス・AIコーポレーション グループについて
    2017年4月、ユビキタス社によるエーアイコーポレーション社の子会社化に伴いグループブランド名称として新たに設立。「Ubiquitous Network Framework」や「Ubiquitous QuickBoot」など自社技術をベースとした「小さく、軽く、速い」組込みソフトウェアの企画、開発、販売実績を持つユビキタス社と、30年以上にわたり、Bluetooth SDKやBIOS、ソフトウェア品質向上ツールなど、海外の先端、かつユニークなソフトウェア製品を輸入、販売する技術商社のエーアイコーポレーション社が、両社の取り扱う製品と技術を組み合わせた高付加価値かつラピッドな組込み開発を可能にするソリューションを提案することを目的として活動しています。