CANECに関するお問い合わせ
ノイズ/エコーキャンセラー CANEC 組込 Linux/ARM プラットフォーム向けソフトウェア開発キット

CANECは、Linux/iOS/Windows 8などのプラットフォームに対応したスマートフォン端末や組込み機器などのアコースティック環境の向上を目的として、VoIPアプリケーション向けに開発された、独自アルゴリズムによる高性能ノイズ/エコーキャンセラソフトウェア開発キットです。
アコースティックアプリケーションシステムにおいて、音楽や会話の明瞭度を向上させるための高性能デジタル信号処理アルゴリズムを備えた低MIPSソフトウェアなので、CPUやOSなどのハードウェアに負担をかけることなく、優れたノイズ/エコー除去効果を得ることができます。
主な特長
- マイクロフォン信号(送信チャンネル)からアコースティックエコーを除去する、低MIPS、高性能なLinear acoustic echo canceller
- スモールモバイルデバイスで通常見られるノンリニア エコーを除去するNon-linear acoustic echo canceller
- マイクロフォン信号からの定常およびゆっくりと変化するバックグランドノイズを除去するAcoustic noise canceller
- マイクロフォンのタイプ、増幅、音量設定にかかわりなく、一定のレベルに強調信号(enhanced speech signal)を維持するTransmit path Automatic Gain Controller
- 受信した信号レベルおよび状態とかかわりなく、話者の信号を一定のレベルに維持するReceive path Automatic Gain Controller
- マイクロフォン信号からのDCバイアス電圧を除去するDC-blocking filter
- スモール モバイルデバイスでは多くの場合小型で低品質のスピーカが搭載されていることから、これにより生じる音響ノイズの問題に対処するSmall-Speaker unit
- 他の会話グループに対して回線が有効であることを示すため、強調信号に低レベルノイズを付加するComfort noise generator
- エコーキャンセラの正確な操作のために必要となる、送受信チャンネル間の相対オーディオ クロック ドリフトを補正するSample synchronization Module
- シングルおよびマルチマイクロフォンをサポート(near end speech signals)
- シングルおよびマルチスピーカをサポート(far end speech signals)
- マイクロフォンとスピーカの数量にかかわりなく、8kHzから48kHzまでのサンプリング周波数をサポート
- 各コンポーネントは、CPU負荷とアプリケーション仕様に応じ有効または無効にすることが可能
- CPU/OS非依存、NON-OSでも移植可能
- 浮動小数点/固定小数点演算サポート
- オーディオコントローラモジュール付随
- システムインテグレータにより完全にコンフィグレーション可能
高機能ライブラリ
- 32bppまでのスクリーンドライバー対応
- マルチグラフィックスレイヤ対応
- アンチエイリアス処理
- アルファブレンディング処理
- 画面遷移効果(スライドイン / アウト、フェードイン / アウト)
- グラデーション
- 任意の角度にオブジェクト回転(ビットマップ / テキスト)
- ランタイム処理の拡充
- テーマ登録 / 更新
- リソースファイル登録
- 画像サンプリング処理
主な性能
CANECは、従来のエコーキャンセラと違い、固定サイズのショートフィルターを使用しているため、アプリケーションはETL(Echo Tail Length)を考慮する必要がありません。この画期的なアプローチは、同等の処理時間において通常のノイズ/エコーキャンセラに比べて処理負荷を大幅に減らし、より良いノイズ/エコーキャンセラを提供することが可能となりました。
固定小数点CPUにおける主な性能
- 国際基準G.167に完全準拠
- 優れたシングルトークを提供する事によって、すべてのアコースティック環境において 80dB 以上のエコー削減可能
- ユーザー調整可能なダブルトークエコー削減
- 100msec以内瞬間収束の80dBシングルトークエコー削減
- ユーザー調整可能な処理ブロックレングスによる低算法遅延の実現(通常10ms以内)
- わずかなスピーチのゆがみでも25dBまでノイズ削減に対応した、ユーザー調整可能なバックグランドノイズ削減機能
- 100ms以下の反響時間がある狭い自動車空間のような環境から、1.5秒以上の反響時間がある広いセミナー会場のような環境におけるすべてのアコースティック環境で、同一の取り込み処理をする安定的なパフォーマンスを提供
CANECの性能評価実例
これは、Qtek8310/I-Mate SP5/HTC Tornado smartphoneにおける実例です。この電話端末は、TIのOMAP 850/195 MHz CPUを採用しており、CANECはDLLとして搭載され、Windows Mobile 5.0においてアプリケーションから直接ローディングすることになります。OMAPプロセスのARM部上駆動され、OS割り込みおよびオーディオドライバイベントが用いられています。CANECは固定小数点Cソースコードのみの移植により、ARM CPUサイクルのわずか15%でノイズ/エコーキャンセラのフル機能を実現しています。

システム構成図

実績
- Windows XP、Windows Vista、Windows 7およびWindows 8
- Mac OS X 10.5以降
- Linux(x86/ARM)v2.6以降のカーネルおよびそのALSAオーディオドライバー
- Windows CE 5.0 以降(x86、ARM、MIPSおよびSH4プロセス)
- Windows Mobile 5.0以降
- iOS(iPhone、iPod Touch、iPad)
- Android v2.1以降
- ARM CPUへの搭載実績多数
(v4、v5、v6、v6 with v7aおよび浮動小数点バージョンv6、v7a)
主な用途
- 車載ハンズフリー機器
- 携帯電話
- TV会議システム
- ヒューマノイド型ロボット
- 対話型玩具
- 家電
- 事務機器
- 情報端末など
ユーザーメリット
- 豊富な実装実績に基づき、各種OS・デバイスに対応済みのコードを提供可能
- 使用するアコースティック環境で高音質を引き出す、豊富なチューニング機能を搭載
- テクニカルサポートの提供
技術サポート体制
- 専任のエンジニアが、お客様の開発段階のさまざまな技術的質問、移植に関するアドバイスについて、電話やFAX、メールにてサポート
- 製品の不具合を修正し、バグフィックスされたバージョンを提供