OPC ClassicとOPC UAの変換ツール Matrikon® OPC UA Tunneller™ 既存資産を活用し、OPC UA導入を実現

産業用 IoT(IIoT)やドイツのIndustrie 4.0(Industry 4.0)の推進により、産業向けネットワークにおいても標準的で、機能性が高く、かつ相互運用性のあるネットワークプロトコルに対するニーズが高まっています。OPC Foundationが定めた次世代規格、OPC Unified Architecture(OPC UA)は、これまで不足していたセキュリティ対策やデータ相互運用性の問題を解消し、メインストリームの規格となりつつあります。
ただし、移行コストやこれまでのOPC Classic資産の運用を考えれば、OPC UAへの突然の移行は現実的でないケースもあります。そのため、既存のOPC ClassicをベースとしたアーキテクチャにOPC UAベースのデータソース(デバイス、アプリケーションなど)を組み込む事例が増えています。MatrikonのOPC UA Tunnellerは、こうした移行期のニーズに対応する最適なツールです。
主な特長
- 複数拠点間でのシームレスなOPCデータ交換
- 容易なコンフィギュレーション
- OPC UAの最低限の知識で使えるスマートなデフォルト設定
- クライアント・サーバー側ともに64bitサポート
- Matrikon® OPC UA SDKをベースに開発
- フィルター機能を搭載し、最適化されたタグブラウズ
- “Ample Status” タグによるOPCのリアルタイムデータ監視機能
- DA機能に対応
- OPC UA DAリアルタイムサポート
ユーザーメリット
- 既存のOPC Classicシステムに変更を加えずOPC UA対応が可能
⇒新規システム導入や改修コストを削減
- OPC Classic 避けられなかった従来のDCOM設定の煩雑さを解消
⇒設定ミスを防ぎ、システム開発期間を大幅に短縮
OPC over DCOMの問題点を解決
OPC Classicでは、以下3つの仕様が定義されています。
・OPC DA(Data Access)
・A&E(Alarms & Events)
・HDA(Historical Data Access)
これらはすべて、Microsoft®の技術であるCOM(Component Object Model)、DCOM(Distributed Component Object Model)を通信方式のベースとしています。OPCクライアント/サーバーマシン同士の通信は、DCOMを使用することで実現できるものの、課題もありました。
OPC UA Tunneller™では、以下のように各課題を解決することが可能です。
1.ドメイン・ワークグループ間通信
認証の煩雑さ解消:DCOMで課題だった認証のための設定の複雑さがなく、PCにpingがつながりさえすれば接続が完了します。
2. ファイアウォールとの併用
NAT越えの問題解決:DCOMでは、ファイアウォールにポートを開ける必要があり、セキュリティ上の問題を抱えていました。しかし、OPC UA Tunneller™では、OPCの利点を活用しながらファイアウォールを十分に活かしたセキュリティ対策が可能です。
3. 少ない帯域
ネットワーク負荷低減:OPC UA Tunneller™は、特長の一つである高度なデータ圧縮機能により、ネットワーク負荷を減らします。そのため、限られたネットワーク環境での使用やデータ通信料の節約できます。
Test | Number of Items | Update Rate (sec.) | Tunneller Plain vs DCOM | Tunneller Compressed vs DCOM | Tunneller Compressed vs Tunneller Plain |
---|---|---|---|---|---|
Test1 | 1000 | 1 | 54.84% | 12.54% | 22.87% |
Test2 | 4000 | 1 | 54.93% | 12.54% | 22.29% |
4. タイムアウトと通信切断の解消
DCOMタイムアウト問題の解消:DCOMの難点だったタイムアウト上限時間を任意に設定できるため、システムに最適な設定で運用できます。
5. データプライバシー
ネットワーク盗聴防止:OPC UA Tunneller™はデータストリームの暗号化機能を持ち、鍵がないとOPCデータの読み取りが困難になるため、中間者攻撃の対策に効果的です。
システム要件
- OS
・Microsoft Windows 10
・Microsoft Windows 2016 Server
・Microsoft Windows 2012 R2 Server
・Microsoft Windows Server 2008 R2 64Bit
- その他ソフトウェア
・Microsoft .NET Framework 4.5.1 and 4.6
- ハードウェア
・Intel® Core™ i5
・4 GB RAM
・80 GB 7200 RPM HDD
OPC UA仕様互換性
コンポ―ネント | サポートバージョン |
---|---|
OPC Classic ClientからOPC Classic Server、Tunneller Clientサイド ゲートウェイコンフィギュレーションコンポーネント | • Version 3.0.4.0 ~ 5.1.0(暗号未サポート) • Version 5.2.0以降(※) |
OPC Classic ClientからOPC Classic Server、Serverサイドゲートウェイコンポーネント | • Version 5.2.0以降 |
※ 暗号サポート状況に関する詳細は、担当までお問い合わせください。
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