今から学ぶOPC UA③ ―OPC UAへの対応方法―
本コラムでは、OPC UAの概要から具体的な活用方法までを複数回にわたり解説していきます。
第3回目の今回は、「OPC UAへの対応方法」を解説します。
はじめに
OPC UAに対応するには、いくつかの方法があります。まず、以下のフローチャートから、どの方法が一番適切かを判断します。
パターン1: 自社製品にOPC UAサーバー・クライアントを組み込みたい
OPC UAを自社製品にネイティブで組み込む場合は、OPC UA SDKを使用してOPC UAサーバー機能またはクライアント機能を実装します。
現在は色々なOPC UA SDKが提供されており選択肢は豊富ですが、SDKを選定する際には以下の点を考慮することが大切です。
- 拡張性:1つのSDKでさまざまなプラットフォーム(OS、CPU、コンパイラ)の製品にOPC UAを実装可能か?
- セキュリティ性:最新のセキュリティ要件を満足し、オープンソースなどで見つかった脆弱性対策が施されているか?
- 採用実績:多くのユーザーからのフィードバックを受けて、日々機能改善に取り組んでいる製品か?
Matrikon FLEX™ OPC UA SDKは、数十年に渡るOPCの知識とグローバルな販売網を活かして多種多様な製品への搭載実績があります。オープンソースを使用しておらず、コアから自社で開発して厳しいテストに通った製品のみを販売しています。OPC UAの理念である拡張性を実現すべく、非力な組み込みマイコンからエンタープライズまで、1つのSDKですべて使用できるように設計されています。WindowsやLinuxを使用する場合には、わずか10分で構築できる評価用サンプルも用意しています。
Matrikon® FLEX™ OPC UA SDK 製品ページ
パターン2: 既存のOPCクラシック対応機器をOPC UAに対応させたい
既にOPCクラシックに対応した機器があり、その機器をOPC UAに対応させたい場合は、変換ツールを使用するのが一般的です。
Matrikon OPC UA Tunneller™は、複雑なDCOMの設定が回避できるほか、「OPCクラシッククライアントとOPC UAサーバーとの接続」および「OPC UAクライアントからOPCクラシックサーバーへの接続」の2つのパターンに対応しています。30日間使用可能な評価版も用意しています。
Matrikon® OPC UA Tunneller™ 製品ページ
パターン3: その他の種類の通信規格や独自通信に対応した製品をOPC UAに対応させたい
対象となる機器がModbusなどの標準通信規格である場合や、あるベンダーの独自通信規格であっても世の中で広く使用されている通信規格の場合、専用のOPCクラシックサーバーが販売されていることが多々あります。
まずはOPCクラシックサーバーを準備して、OPC UA Tunnellerなどの変換ツールを使用することにより、2段階でOPC UAに対応することが可能です。
Matrikonが販売しているOPCクラシックサーバーの一覧はこちらです。
まとめ
近年、OPC UAは広がりを見せていますが、OPC UAに対応させる機器の形態により対応の仕方や可能性はさまざまです。相互運用性を安全かつ確実に実現するため、対応方法を検討する際は様々な観点からの評価をおすすめいたします。
4回目となる次回は、「OPC UA用語の解説」を予定しています。
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Matrikon® FLEX™ OPC UA SDK
Matrikon社は、OPC UA組込みサーバーソフトウェア開発キット(FLEX OPC UA SDK)の開発を通じ、規格に準拠した高性能なOPC UAサーバーの機器への直接搭載と、機器へのスマートな通信機能の構築を容易に実現しています。FLEX OPC UA SDKは、さまざまな種類の機器で使用できるように設計された、拡張性の高さを特長とする組込み用OPC UAソリューションです。
このコラムの著者
株式会社ユビキタスAI
エンベデッド第3事業部
中村 陽子​(なかむら ようこ)
組込み業界のエンジニアとして25年以上の経験を積む。組込み向け機械学習、ファイルシステム、フラッシュメモリドライバ、OPC UAなど幅広い分野に精通。華やかなアプリケーションではなく、縁の下で力を発揮する組込みソフトウェアの面白みを再認識。その魅力を広く世に伝えるべくコツコツ活動中。
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