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2010年03月23日
株式会社ユビキタス
ユビキタス社、新製品「Ubiquitous QuickBoot」発売開始~Android・Linuxの世界最速1秒起動を実現~
株式会社ユビキタス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:川内 雅彦、以下ユビキタス社)は、様々な機器の瞬間起動を可能にし、Androidの起動時間としては世界最速の1秒台を実現した画期的な新製品「Ubiquitous QuickBoot Release1.0 (ユビキタス クイックブート リリース1.0)」(以下、QuickBoot)を本日より発売することを発表いたします。販売は、ユビキタス社および、ユビキタス社の販売代理店より行います。
2009年11月の技術発表を経て、今回発売する製品は、開発者向けのQuickBoot SDK(ソフトウェア開発キット。以下、SDK)となります。各メーカーの開発者はSDKを利用して、自社の機器の瞬間起動を実現することが可能になります。SDKには、システム状態を不揮発性ストレージに保存・復元する「QuickBootスナップショットスクリプト」、「QuickBootスナップショットドライバ」「QuickBoot BIOS」の他、メモリブロックの優先復元を制御する「QuickBoot IRA (Intelligent Resource Allocator)」、「Kernel Patch」「ブートローダーサンプル」「マニュアル」等が含まれています。開発者はSDKを用いることで、ターゲットとなる組込みシステムの起動時間を劇的に短縮することが可能となります。
QuickBootの採用が期待される分野は、テレビ・セットトップボックス・DVD/ブルーレイ録画機などのデジタルAV機器、カーナビなどの車載機器、スマートフォン・タブレット型デバイスなどの携帯機器、ゲーム機、ネットブックなどのPC、デジタルカメラなど、高機能化が進み起動が遅くなる傾向にあるデジタル機器全般となります。
SDKは、ARM社が提供するARMコアシリーズに対応したCPUが対象となり、ARMアーキテクチャに基づく各社のCPUを採用している機器での開発が可能となります。なお、他のCPUアーキテクチャについては、順次対応していく予定です。
【技術背景】
近年、機能の複雑化が進むデジタル家電や携帯機器のOSに、LinuxやAndroidを使用するケースが増加していますが、電源断からの起動 (コールドブート) 時間が数十秒から1分前後もかかり、
機器メーカーにとって改善すべき課題となっています。起動時間を短縮する方法として、Linuxの起動手順をチューニングする方法、サスペンド・レジュームなどLinuxの持つ電力管理機能を利用する方法、さらに最近では、動作時のRAMに展開されたシステム状態をフラッシュメモリのような不揮発性ストレージに保存し、電源投入後、RAMに復元するハイバネーション方式による高速復帰の手法が一部の機器で使われ始めています。しかし、これらの方式では、肥大化したアプリケーションに対して、期待した効果を出すことができなかったり、待機電力の問題を解消するには至っていないのが実状です。
QuickBootは、ハイバネーション方式とは異なる、ユビキタス社が独自開発した新技術を適用したソリューションです。システムの起動に必要なメモリ領域を優先的に不揮発性ストレージからRAMに復元することで、アプリケーション側で使用しているメモリ量に依存せず、わずか数秒での瞬間起動が可能となります。また残りのメモリ領域は起動後に順次読み込み、ユーザーの操作にほとんど影響を与えません。(図1・2)
Android(注1)を使用した実装例では、電源投入からわずか1秒台(注2)でアプリケーション実行状態まで復元可能で、Androidの起動時間としては世界最速です(注3)。
【QuickBoot SDK 技術仕様】
■サポート環境
対応OS : Linuxカーネル 2.6.x
対応CPU : ARMアーキテクチャ (ARM9, ARM11, Cortex-A8, Cortex-A9 Single Core)
(注1)米Google社を中心に設立された「Open Handset Alliance」
(オープン・ハンドセット・アライアンス)が提供する、モバイルデバイス向けプラットフォームで
あり、最近では、携帯電話以外にも、様々なデジタルネットワークデバイス向けの利用が注目されて
います。
(注2)下記の環境において、ストップウォッチで実測いたしました。
環境 : Android / Armadillo-500FX (アットマークテクノ社製:ハードウェア改造無し)
使用RAMサイズ :105~110Mバイト
RAMイメージサイズ:128Mバイト (イメージ非圧縮、XIP未使用)
電源投入から下記デモが動作、もしくは操作可能になるまでの起動時間
◆ GlobalTime:起動時間 約1.3秒
◆ GLSurfaceView:起動時間 約1.4秒
◆ AnimateDrawables:起動時間 約1.4秒
(注3) 2010年3月現在、ユビキタス社調べ
図1:ハイバネーション方式とクイックブートの動作原理の違い
※本リリースに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。