CANを使用したSILSテスト―車両全体シミュレーション、テストケース再利用―
SILSは、主にECUのソフトウェア開発向けの開発支援環境です。実機が完成していない段階でもPC上で各種検証を行うことで、CIの容易な実施、開発の手戻り工数削減、自動テストによる信頼性向上などが可能です。
GSILは、ユビキタスAI社が販売している、CAN通信に対応したSILSツールです。CANを使うことで、応用範囲が更に広がります。
目次
1. 応用例1: 実機とシミュレーションの統合テスト
1-1. CANを使用した実ECUを含む統合テスト その1
1-2. CANを使用した実ECUを含む統合テスト その2
2. 応用例2:CANoeを使用した自動テスト
2-1. CANoeを使用したレストバステスト
3. まとめ
1. 応用例1: 実機とシミュレーションの統合テスト
「複数のECUで実機とシミュレーションを使用した結合テストをやりたい」というユースケースがあります。
1-1. CANを使用した実ECUを含む統合テスト その1
例えばOEMで車両全体をシミュレーションしたい場合、自社製のソースコードやモデルであればMILS、SILSでテストすることができますが、サプライヤー提供のECUでは、モデルやソースコードの入手は難しいかも知れません。入手できなければ、そのECUは実ECUでのテストが必要となります。
このような場合でも、CANを使用することでシミュレーション、実ECUでの統合テストを行うことができます。
以下を実CANで接続、シミュレーションが可能
- 手書きコードECU
- 実ECU
- HILS
※HILS無しのバターンもあり
1-2. CANを使用した実ECUを含む統合テスト その2
また、実ECUに何かの機能を加える際に、HILSを準備できなくても、HILSの代わりにプラントモデルを入れた対抗機を、容易かつ安価に構築可能です。
プラントモデルが入ったGSILで対抗機として利用
- 実ECUに機能追加、HILSの準備が困難な場合
GSILにVector社製USB接続CANハードウェアを使用することで、実CANとの通信が可能となります。
より詳しい技術や関連製品について知りたい方へ
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2. 応用例2:CANoeを使用した自動テスト
CANoeを使用した自動テストが可能です。実ECUからのトレースデータ、もしくはCAPLで記載されたテストケースを実行することで、テスト資産を活用したり、容易に自動テストを実現したりすることが可能になります。
2-1. CANoeを使用したレストバステスト
CANoeの仮想CANノード
- 仮想CANノードでテストケースを実行
- 実ECUのトレースデータ
- CAPLで記載されたテストケース
- GSILへのテストケース、動作確認
また、実ECUに何かの機能を加える際に、HILSを準備できなくても、HILSの代わりにプラントモデルを入れた対抗機を、容易かつ安価に構築可能です。
3. まとめ
CANを使用することで、SILSの応用範囲が広がります。ご興味ある方は下記ボタンでお問い合わせください。GSILについてより詳しくご説明いたします。
このコラムの著者
株式会社ユビキタスAI
エンベデッド第3事業部 担当部長
植田 宏​(うえだ ひろし)
大学卒業後Tier1メーカーへ入社、ECUソフトウェア開発を行う。その後海外で組込みソフトウェア開発エンジニアの経験を経て、帰国。1998年より車載系ソフトウェアの技術営業に従事。自身の経験を活かし、課題解決に役立つ海外のソフトウェア商材を取扱い、国内のエンジニアへ届けている。
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