ニュースプレスリリース
2010年05月10日
株式会社ユビキタス
アットマークテクノ社とユビキタス社が QuickBoot の採用促進で協業~Armadillo シリーズを利用した中小規模の量産品で高速起動技術の普及を加速~
株式会社アットマークテクノ (本社:札幌市中央区、代表取締役:実吉智裕、以下アットマークテクノ社) と株式会社ユビキタス (本社:東京都新宿区、代表取締役社長:家髙朋之、以下ユビキタス社) は、このたび、ユビキタス社の高速起動ソリューション 「Ubiquitous QuickBoot (ユビキタスクイックブート、以下 QuickBoot )」 をアットマークテクノ社の組み込みプラットフォーム 「Armadillo (アルマジロ)シリーズ」 に適用し、中小規模の組み込みシステムに対するQuickBootの採用を促進していくことで協業いたします。
今回の協業で両社は、ArmadilloシリーズにQuickBootを搭載した製品をラインアップし、2010年秋からの販売開始を目指します。Armadilloシリーズを採用する際には、QuickBootの移植作業にかかる開発時間とコストをかけずに、高速起動対応の組み込み機器が開発でき、特に中小規模の量産向け開発に大きなメリットがあります。組み込み機器が高速起動に対応すると、省電力化と利便性の向上に寄与するだけでなく、省電力化に伴うバッテリーやソーラーパネルの小型化も期待でき、組み込みシステム全体のコストダウンにもつながります。両社では、QuickBoot搭載のArmadilloシリーズを、“バッテリーで動作する携帯型POS端末” “ソーラー発電で動作する屋外装置” “使用時だけ起動するICカード端末” など様々な装置に応用できると考えています。
ユビキタス社は、QuickBoot の SDK (ソフトウェア開発キット) のリファレンス用ハードウェア第一弾としてアットマークテクノ社製「Armadillo-500 FX」 を採用し、Google AndroidTMのコールドブート (電源断からの起動) で1秒台の起動時間を実現。さらに両社は、アットマークテクノ社の新製品 「Armadillo-400シリーズ」にもQuickBootを移植する予定です。Armadillo-400シリーズは、従来のArmadillo-500 FXと比較して半額程度の価格帯を実現したコストパフォーマンスの良いモデルです。消費電力が1W程度で、動作温度範囲も-20~70℃ と広く、数十~数千台程度の中小規模の量産に適している点が特長です。
今後、両社は OESF (Google AndroidTMの組み込みシステムへの普及・開発を促進する団体、一般社団法人Open Embedded Software Foundation) での活動などを通じて、組み込みシステムの高速起動推進、待機電力削減の観点から、高速起動ソリューションの標準化にも取り組んでまいります。
Armadilloシリーズを使用したQuickBootによるGoogle AndroidTMの高速起動のデモンストレーションは、2010年5月12日(水)~14日(金) に東京ビッグサイトにて開催される「ESEC 2010 (第13回組込みシステム開発技術展)」 の両社ブースにおいて実施されます。
・アットマークテクノ社 ブース (東39-1)
・ユビキタス社 ブース (東35-002)
また、動作の模様は、QuickBoot製品ページ(/products/quickboot/video.html)でもご覧いただけます。
株式会社アットマークテクノ 代表取締役 実吉 智裕のコメント
「ユビキタス社のQuickBootは起動時間の高速化とゼロ待機電力の実現を両立できる素晴らしい技術です。今回の協業によって、弊社のArmadilloシリーズの特長である “中小規模量産に適した簡単にカスタマイズできる組み込みプラットフォーム” という強みとQuickBootの特長を融合し、多くの組込みシステムの利便性を向上させられるだけでなく、環境にも貢献することができます。今回の協業の成果が、常に新しい製品を作り出す組み込み開発者にとって、メリットの大きいものとなることを期待しております」
株式会社ユビキタス 代表取締役社長 家髙 朋之のコメント
「今回、ARM社製CPUコアを搭載した開発および量産用ボードの提供において定評のあるアットマークテクノ社と協業することができ、QuickBootが中小規模の量産製品に向けても提供できる環境が整うことを、たいへん喜ばしく思います。様々な分野の多様な製品に、Armadilloシリーズと共にQuickBoot技術が利用され、新たな製品ジャンルが広がっていくことを期待しております」
■ Armadilloシリーズについて
Armadilloシリーズはアットマークテクノが開発した、小型・低価格・省電力の「組み込みプラットフォーム」です。ARMプロセッサを搭載した CPUボード上に、オープンソースソフトウェアのLinuxが標準OSとしてプリインストールされ、開発者はアプリケーション部分を開発するだけでさまざまな組み込みシステムを実現できます。2001年に初代機を発表して以来、すでに10モデル以上の製品をラインアップしており、主に中小規模の組み込みシステムで数多く採用されてきました。最近ではGoogle AndroidTMが動作するプラットフォームとしても注目されています。詳細は、製品Webページをご参照ください。
http://www.atmark-techno.com/armadillo/
■ 株式会社アットマークテクノについて
アットマークテクノ社は、1997年11月設立のシステムハウスで、組み込み機器向け小型ボードコンピュータの開発・製造・販売を行っています。組み込み開発者向けに、ハードウェアと標準 OS までを含め、カスタマイズが簡単な 「組み込みプラットフォーム」を提供することを自社ブランドのコンセプトとして掲げ、ARM 搭載・省電力設計CPUボード「Armadillo (アルマジロ)」、 Xilinx社製FPGA搭載モジュール「SUZAKU (朱雀)」を提供しています。
詳細は http://www.atmark-techno.com/ をご覧ください。