マルチECU対応タイミング検証ツール chronSUITE タイミング設計、時間制約の設計、実装での発見困難なミスをシミュレーション、実機で検出

chronSUITEは、リアルタイムシステム向けのタイミング解析、最悪実行時間算出ツールです。

タイミング検証とは、例えば自動ブレーキシステムの場合、安全性を確保するため「センサーが障害物を検出してから、必ず300ms以内にブレーキを作動させなければいけない」といったタイミングの要求がありますが、複数のECUにまたがった通信の遅延、ECU内のタスク、マルチコア、その他の要素の遅延等のばらつき等の影響があり、その要求が確実に満たされ、安全が確保されているかを検証するのは今までの手法では非常に困難です。

chronSUITEは、シミュレーションによる検証と、実機での検証により、高精度で、まれにしか起こらない不具合等のタイミング検証が低コストで可能となります。

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chronSUITEの構成ツール

  • chronSIM
    リアルタイムシミュレーション、視覚化、動的解析ソフトウェア/ハードウェア構成の設計、タスクマッピング等を実機の無い段階で行うことが可能になります。タスク構成、割り込みやスケジューリングの最適化、アナログ、デジタル信号の内部、外部イベントへの反応時間などへの要求の検証を行えます。
  • chronVAL
    最悪実行時間の算出ツールです。シングルコア、マルチコア、マルチプロセッサ、分散システムを解析し、最適化、検証を行います。
  • chronVIEW
    ハードウェアトレースからのデータを視覚化し、検証が可能となります。インスツルメントコードやデバッガ等、数多くのトレースツールに対応しています。実際の計測からの検証、最適化が可能となります。

主な特長

chronSIM

  • シミュレーションにより、実機の無い段階で、タイミングの設計、検証
  • 分散されたシステムでのマルチコア、マルチコア、マルチプロセッサ等を選択、設定
  • 視覚化によりタイミングの確認、ボトルネックの把握が可能
  • イベントチェーン(センサー⇒コントローラー⇒アクチュエーター)のレイテンシー計測
  • ソフトウェア、ペリフェラル、バス間のタイミングインタラクションの理解
  • 過負荷状態の検出
  • タスク、割り込みのクリティカルなスケジュールの把握
  • リアルタイムエラーの原因発見、デバッグ
  • 安全マージンの設計によるバタフライ効果の回避
  • CAN、FlexRay、Ethernet、AFDXのサポート
  • Html、CSVのカスタマイズ可能なレポート生成
  • 自動化のためのバッチモードサポート

chronVAL

  • 最悪実行時間算出ツール
  • 分散されたシステムでのマルチコア、マルチコア、マルチプロセッサなどを選択、設定
  • タイミングのボトルネックを検出
  • エンドツーエンド、タスク中断時間、バス、CPU負荷に対する最悪実行時間の算出
  • イベントチェーン(センサー⇒コントローラー⇒アクチュエーター)のレイテンシーの最悪時間算出
  • バス上のバースト(イーサネット、CAN、FlexRay等)の最悪バーストの算出

chronVIEW

  • 実測されたハードウェアトレースの視覚化
  • Elektrobit、ETAS、Express Logic、Gliwa、Green Hills、iSYSTEM、Lauterbach、Vector、Windriver等に対応
  • イベントチェーン(センサー⇒コントローラー⇒アクチュエーター)をサポート
  • リアルタイムの振る舞いを解析
  • GUIウィザード、ビルトインエラー検出
  • 大規模トレースへの対応
  • マルチコア、マルチプロセッサ対応
  • タスクや割り込み等の重要なスケジューリングを調査
  • RTOSスケジューリング、関数ネスト、データ、コントロールフローの表示
  • 実行時間、反応時間、エンドツーエンドタイミング、CPU、Bus負荷、ジッタ等を視覚化、制約の確認
  • Html、CSVのカスタマイズ可能なレポート生成
  • 自動化のためのバッチモードサポート

参考資料ダウンロード

  • AD(自動運転)、ADAS(運転アシスト)ソフトウエア開発へのchronSUITEの適用方法(タイミング検証)
    INCHRON_8steps_AD_ADAS jpn.pdf

採用事例

  • 名古屋大学とTRI-AD社での自動運転向けソフトウェア設計検証へのchronSIMの適用
    ・TRI-AD社のAUTOSAR Adavptive Platform ADSをchronSUITEで検証
    ・設計の不具合を発見し、その対策によりエンドツーエンドレイテンシーを改善
    ・CPUの負荷測定、分散を行いシステムの最適化を実施
    paper_fisita2020_presentation.pdf

ターゲット製品 / 対応製品 / 互換性など

対応ホスト環境Windows

ユーザーメリット

  • 見つけにくいタイミングの不具合の検出
  • タイミング設計支援
  • 時間制約の検証
  • 最悪実行時間の算出

技術サポート体制

電話、FAX、E-mailによるサポート、有償トレーニング、コンサルティング。

関連情報

【コラム】早期の車載ECUタイミング検証の実現