IoT製品向け組込みソフトウェアのオールインワンパッケージ Ubiquitous RTOS IoT Enabler すぐにIoT機器を開発できるプラットフォームソリューション

次世代プロトコルQUICに対応した組込みソフトウェアのオールインワンパッケージ
次世代トランスポートプロトコルQUICに対応した、IoT機器向け組込みソフトウェアパッケージ「Ubiquitous RTOS IoT Enabler」です。QUIC対応版Ubiquitous RTOS IoT Enablerを利用することで、今後増加が期待されるQUIC対応のWebサービスのクライアント機器をタイムリーに市場投入することが可能になります。
RTOS IoT Enabler for QUICでできること
現在、IoT機器の通信プロトコルはMQTTやHTTPが主流です。他方、IoTプラットフォーム大手のAmazon Web Services, Inc.は、既にAmazon CloudFrontでQUIC対応しており、IoTデバイスを各種AWSサービスに接続するAWS IoT CoreでもQUIC対応が進むことが期待されます。
ユビキタスAIは、QUICプロトコル単体のライブラリ版として提供する他、QUIC対応したUbiquitous RTOS IoT EnablerをAWS IoT Coreのクライアント向けソフトウェアとして提供します。これにより、AWS IoT Coreを利用するIoT機器がクラウドに接続する際の応答時間の短縮や効率良くデータ転送を行うことで、通信トラフィックの改善を実現します。
主な特長
UDPをベースにしたQUICは、ネットワークにTCP相当の信頼性を提供する次世代の通信プロトコルとして、「Head-of-Line Blockingの回避」「接続確立時間の最適化」「TLS1.3による暗号化の標準化」「IPアドレス、ポート番号や通信経路に変更が生じた際のネットワーク接続の維持」など、さまざまな機能を提供することでネットワークの高速化を実現しているトランスポート層通信プロトコルです。
ユビキタスAIはIETFによって標準化されたQUICの技術仕様に基づいて自社開発を行い、組込み・IoT市場において利用できる形でのリリースを早期に実現しました。
- 次世代トランスポートプロトコルのQUICを完全自社開発
- 省リソースのIoT機器でも動作し、高性能・高機能化に寄与するリアルタイムOS TOPPERS-Proに、QUICに対応したネットワークスタックを実装してオールインワンパッケージ化
- 低消費MCUでの対応とリアルタイムOS及び通信処理を高速で行うことで、消費電力低減が可能になりIoT機器などへの活用でCO2削減に効果
主な機能
- Head-of-Line Blockingの回避
- 接続確立時間の最適化
- RTTの対応
- 再送制御によるデータ再送の最適化
- TLS1.3によりトランスポート層の制御コードを含めた暗号化
- IPアドレス、ポート番号などに変更が生じた時でも接続を継続するコネクションマイグレーションの対応
- ヘッダ圧縮による通信の最適化
ソフトウェアブロック図、スタック図
QUIC対応版Ubiquitous RTOS IoT Enablerは、ソフトウェア開発キットとしてTOPPERS-Pro、ネットワークスタックを含んで提供します。
また、組込みクライアント向けには、QUICプロトコルを単体で提供するQUICライブラリ版を別途用意しています。

QUIC対応版Ubiquitous RTOS IoT Enablerの構成
QUICについて
QUICは、ネットワークの高速化を目的としてGoogle社によって設計され、2012年からの実験・デプロイを経て2013年に公表された、た次世代通信プロトコルです。その後IETFでの議論を経て、新しいトランスポートプロトコルとして2021年にRFC8999、RFC 9000、RFC 9001、RFC9002によって標準化されました。現在では、Chromeを始め多くのウェブブラウザからGoogleサーバーへのコネクションで標準またはオプションで実装・使用されています。また、HTTPの新プロトコルであるHTTP/3は、QUICをトランスポートレイヤプロトコルとして2021年に標準化されました。