組込み向けBluetoothプロトコルスタック(LE Audio対応) Blue SDK Bluetooth 5.2対応デュアルモードスタック(Classic & Low Energy)

Blue SDKとは

Bluetooth SIGが策定した仕様に従った通信機能を、組込み機器に実装するためのミドルウェアです。

デュアルモードスタックとして、音楽ストリーミングやハンズフリー機能を実現するための「Bluetooth Classic」、IoT機器との通信や新しく仕様が策定されたLE Audio機能を実現するための「Bluetooth Low Energy」の両方に対応しています。

Bluetooth機能開発をサポートする、お客様のユースケースに合わせたアプリケーション開発が可能なAPIと、サンプルコード、デバック用ログ機能が併せて提供されます。

販売開始から20年以上に渡り車載機器、民生機器、産業機器で積み重ねた豊富な実績と経験が、高い相互接続性を実現しています。

特長

  • Bluetooth SIG仕様書Bluetooth 5.2 Core Specificationに対応、Component認証取得済み
  • 最新の各種プロファイル バージョンに対応。 新規プロファイルに随時対応
    ※プロファイルについては下記「対応プロファイル」をご覧ください。
    ※ユースケースにあわせて必要最小限のプロファイルを選択可能
  • 組込みを考慮し最小構成時のROMサイズが約170KB~とコンパクトな設計
  • ソースコードはANSI Cで提供。CPU、OS、Bluetoothモジュールに非依存
  • 多くのOSに移植実績あり。 OSレスの環境でも動作可能
    (µITRON/VxWorks/QNX/Nucleus/Linux/Android/Windows CEなど)
  • Apple社製品との接続対応実績あり、iAP2(iPod Accessory Protocol)に対応可能

対応プロファイル

標準プロファイル

Blue SDKには以下のプロファイルが付属

  • Device Identification Profile (DID)
  • Serial Port Profile (SPP)
  • Dial-Up Networking Profile (DUN)

以下はBluetooth Low Energy SDK付属プロファイル

  • Find Me Profile (FMP)
  • Health Thermometer Profile (HTP)
  • Proximity Profile (PXP)
  • Heart Rate Profile (HRP)
  • Alert Notification Profile (ANP)

オプションプロファイル

オプションで以下のBR/EDR(Classic)プロファイルを選択追加可能

  • Hands-Free Profile (HFP)
  • Headset (HSP)
  • Health Device Profile (HDP)
  • Hardcopy Cable Replacement Profile (HCRP)
  • Messaging Access Profile (MAP)
  • Synchronization Profile (Sync)
  • SIM Access Profile (SAP)
  • Basic Printing Profile (BPP)
  • Basic Imaging Profile (BIP)
  • Personal Area Networking Profile (PAN)
  • Audio/Video Profile (AVP)
  • Human Interface Device Profile (HID)
  • Phone Book Access Profile (PBAP)

以下はBluetooth Low Energy(BLE)オプションプロファイル

  • HID Over GATT Profile (HOGP)
  • Internet Protocol Support Profile (IPSP)
  • Object Transfer Profile (OTP)
  • LE Audio Profiles

主な利用例

  • 車載インフォテインメント機器、カーナビゲーション
  • 携帯電話
  • ハンディターミナル
  • プリンタ、複合機
  • 自動販売機
  • POS端末、バーコードリーダ
  • 携帯オーディオ機器
  • デジタルカメラ
  • 医療機器
  • IoT機器

ソフトウェアブロック図、スタック図等

LE Audio

BlueTooth LE Audioのバナー

Blue SDK 7.xは、LE Audioで策定されたプロファイルと、ライセンスで利用可能なLC3オーディオコーデックをサポートしています。LE Audioは、Bluetoothオーディオの仕組みを大幅に更新し、まったく新しいトポロジとユースケースを提供する次世代音声規格です。 これまでにないオーディオ アーキテクチャをBluetoothにもたらすLE Audioプロファイの登場により、 従来のClassic Audioプロファイル(A2DP、AVRCP、HFP、HSPなど)からの置き換えが始まります。

マルチストリームオーディオとブロードキャストオーディオの違い

MULTI-STREAM AUDIO

高度に同期された独立したオーディオ チャンネルを、1つまたは複数の受信デバイスにストリーミングします(複数のデバイスが1つのサウンド システムとして協調して動作できるようになります)。

BROADCAST AUDIO(AURACAST™)

1つまたは複数のオーディオ ストリームを無制限の数の受信デバイスにブロードキャストします (オーディオ共有を可能にします)。
Bluetooth SIGによりAURACAST™とブランド化されている機能で、製品だけでなく、ジム、空港、劇場などの公共施設でもサポートされます。

LC3コーデック

Bluetooth SIGの調査によると、新しいLC3コーデックは、Classic Bluetooth Audioで使用されている従来のSBCコーデックと比較して、半分のビットレートでより優れたオーディオ品質を実現します。

製品バージョン

Blue SDK 7.x

組込み用Bluetooth 5.2 対応 プロトコルスタック。 Bluetooth Classicをサポート

Bluetooth Low Energy SDK 4.x (LE SDK 4.x)

組込み用Bluetooth Low Energyプロトコルスタック。 Blue SDK 7.xと併せて使用しデュアルモードをサポート

関連製品

Blue SDK RapidLaunch

車載IVI機器向けGENIVI対応Bluetoothプロトコルスタック

Blue SDK Mesh

組込み向けBluetoothメッシュプロトコルスタック

販売形態

ソフトウェア開発キット(SDK)、量産用ロイヤリティ、年間保守サポート
価格:使用するプロファイル数、組込み数量などに応じて設定

技術サポート体制

年間サポートサービス(有償)
専任エンジニアが開発段階のさまざまな技術的質問する回答や、移植に関してアドバイスします。

  • 電話、E-mailによる技術サポート
  • 機能追加版(マイナーバージョンアップ)の提供
    ※メジャーバージョンアップ、新プロファイルの追加については別途お問い合わせください。
  • 製品の不具合を修正、バグフィックス版の提供
  • Bluetooth仕様または製品実装に脆弱性が見つかった場合、報告書と修正パッチを提供

【技術コラム】Bluetooth のデバイスアドレスについて

デバイスアドレスは、Bluetoothデバイスの識別要素として重要なパラメータです。デバイスアドレスには、通常「パブリックアドレス」と「ランダムアドレス」の2種類があります。ここでは、それぞれのアドレスの意味と役割について簡単に解説します。

  • パブリックアドレス(Public Address)

IEEE 802 に準拠した48ビットの静的な値です。EthernetのMACアドレスと同等で、デバイスが製造された段階でICに書き込まれます。このアドレスは、デバイス検索の識別情報としてよく用いられます。特に、BR/EDR無線のクラシックBluetoothプロトコルでは、このアドレスのみが利用されています。

  • ランダムアドレス(Random Address)

Bluetooth仕様書v4.0以降、BLEプロトコルのセキュリティ性を更に高めることを目的に、ランダムアドレスというコンセプトが導入されています。パブリックアドレスと異なり、ICに書き込まれた固有値ではなく、デバイスが乱数により自動的に生成した値で、用途に応じて変化して行く性質を持っています。ランダムアドレスには、用途に応じて以下の2つのタイプがあります。

  • スタティックアドレス(static address)

このアドレスは、デバイスがパワーサイクルによって生成されたもので、電源を入れ直すまで変わらない静的な値です。

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  • プライベートアドレス(private address)

プライベートアドレスは、基本的に動的な値です。通常、事前に決められたタイミングサイクルによってその値が変化します。プライベートアドレスでは、セキュリティの要求によって、さらに次の2種類があります。

ノンリゾルヴァブル・プライベートアドレス(non-resolvable private address)

復元解決可能な情報との関係性を持たないアドレスです。

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リゾルヴァブル・プライベートアドレス(resolvable private address)

128ビットのIRK(Identity Resolving Key)と呼ばれるキーを用いて生成されたアドレスです。

blueSDK_column01-03.jpg関連製品:Blue SDK