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2022年05月16日
株式会社ユビキタスAIコーポレーション
車載ECUシミュレーションでテスト資産を活かすための技術とは?
昨今、ECUの制御ソフトウェアの重要度は高まり続け、それにともなうテスト工数が膨大になっていますが、そのテスト資産を活かすにはどうしたら良いでしょうか?ここでは、資産を有効に活用するための技術とそれに対応するツールをご紹介します。
増え続けるテストケース
ECU制御ソフトウェアには、「非常に高い品質の確保と同時に開発期間の短縮」と「コスト削減」という2つの相反する課題の解決が求められています。このようなことが背景となり、開発効率向上のために MILS注1、SILS注2、HILS注3によるシミュレーションが使用されることが一般的になってきています。
非常に高い信頼性が要求されるECUでは、膨大なテストケースを作成、実行、検証する必要がありますが、膨大なテストケースをMILS、SILS、HILSで別々に作成・実行するのは、工数の大きな無駄となってしまいます。
XILを使用したテストケースの共用
XILは、ASAMという団体が制定している、テスト自動化ツールとテストベンチ間の通信を行うMILS、SILS、HILS用のAPI規格です。XILをサポートしているツールを使いテストケースを共用し、テストケース作成の冗長さを減らすることで、工数の削減が可能になります。
例えば ECU-TEST注4でテストケースを作成すれば、MILSのSimulink注5、SILSのGSIL注6、HELIOS注7でこのテストケースを実行することが可能です。
このように、ECU-TESTのTest Configuration、Test Bench Configurationにより信号のマッピング、Port設定をSimulink、GSIL、HELIOS向けに変更すれば、同一のテストケースを使用することが可能となります。
注1 MILS:モデルベースのシミュレーション
注2 SILS:制御装置と制御対象等のソースコードを用いたシミュレーション
注3 HILS:実制御装置(ECU)と模擬した制御対象を用いたシミュレーション
注4 ECU-TEST:TraceTronic社製テストオートメーションツール
注5 Simulink:Mathworks社製MILSツール
注6 GSIL:ユビキタスAI社製MILSツール
注7 HELIOS:A&D社製HILSツール
デモンストレーション
こちらは、ECU-TESTでテストケースを作成し、そのテストケースをSimulink、GSIL、HELIOSで実行しているデモ動画です。
このように、XIL技術とそれに対応したツールを使用することで、テストケース作成工数を大幅に削減することができます。
XIL対応ECUソフトウェア開発向けシミュレーションツール「GSIL」
ユビキタスAIでは、XILに対応したツール「GSIL」を開発、販売、サポートしています。「GSIL」の詳細については、お気軽にお問い合わせください。