車載ECUシミュレーションでテスト資産を活かすための技術とは?

昨今、ECUの制御ソフトウェアの重要度は高まり続け、それにともなうテスト工数が膨大になっていますが、そのテスト資産を活かすにはどうしたら良いでしょうか?ここでは、資産を有効に活用するための技術とそれに対応するツールをご紹介します。

増え続けるテストケース

ECU制御ソフトウェアには、「非常に高い品質の確保と同時に開発期間の短縮」と「コスト削減」という2つの相反する課題の解決が求められています。このようなことが背景となり、開発効率向上のために MILS注1、SILS注2、HILS注3によるシミュレーションが使用されることが一般的になってきています。

非常に高い信頼性が要求されるECUでは、膨大なテストケースを作成、実行、検証する必要がありますが、膨大なテストケースをMILS、SILS、HILSで別々に作成・実行するのは、工数の大きな無駄となってしまいます。

XILを使用したテストケースの共用

XILは、ASAMという団体が制定している、テスト自動化ツールとテストベンチ間の通信を行うMILS、SILS、HILS用のAPI規格です。XILをサポートしているツールを使いテストケースを共用し、テストケース作成の冗長さを減らすことで、工数の削減が可能になります。

例えば ECU-TEST注4でテストケースを作成すれば、MILSのSimulink注5、SILSのGSIL注6、HELIOS注7でこのテストケースを実行することが可能です。

XILを使用したテストケースの共用

このように、ECU-TESTのTest Configuration、Test Bench Configurationにより信号のマッピング、Port設定をSimulink、GSIL、HELIOS向けに変更すれば、同一のテストケースを使用することが可能となります。

注1 MILS:モデルベースのシミュレーション
注2 SILS:制御装置と制御対象等のソースコードを用いたシミュレーション
注3 HILS:実制御装置(ECU)と模擬した制御対象を用いたシミュレーション
注4 ECU-TEST:tracetronic社製テストオートメーションツール
注5 Simulink:Mathworks社製MILSツール
注6 GSIL:ユビキタスAI社製SILSツール
注7 HELIOS:A&D社製HILSツール

デモンストレーション

こちらは、ECU-TESTでテストケースを作成し、そのテストケースをSimulink、GSIL、HELIOSで実行しているデモ動画です。

Simulink、GSIL、HELIOSを組み合わせたテスト構成

このように、XIL技術とそれに対応したツールを使用することで、テストケース作成工数を大幅に削減することができます。

XIL対応ECUソフトウェア開発向けシミュレーションツール「GSIL」

ユビキタスAIでは、XILに対応したツール「GSIL」を開発、販売、サポートしています。「GSIL」の詳細については、お気軽にお問い合わせください。


製品情報

車載ECUソフトウェア開発向けシミュレーションツール

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