CPU別ソリューション ルネサスエレクトロニクス社製
RZ/T2Mグループ

ルネサス エレクトロニクス社のリアルタイム制御&産業ネットワーク用の最新プロセッサであるRZ/T2Mは、Arm Cortex-R52コアを2つ搭載したマルチコア構成で、それぞれのコアがモーターコントロール向け、ネットワーク通信向けに使いやすい設計となっています。通常は、各コアでそれぞれリアルタイムOSや制御用のソフトウェアを動かし、コア間割込みや共有RAMを使って同期・通信を行わせるようなソフトウェア構成を取ることが可能です。

TOPPERS-Pro/FMP3はSMP型のリアルタイムOS(以下、RTOS)であるため、2つのコアで1つのRTOSを動作できます。この構成のメリットは、ユーザーがマルチコアを意識することなくシングルコアで1つのRTOSを動かすのと同様の使い方で、コアを跨いだタスク間通信や同期を行えることです。 RZ/T2Mのターゲットアプリケーションのひとつであるモーター制御においては、各タスクは明示的にコア移動(マイグレーション)のサービスコールが呼ばれない限り、タスク生成時のコアで動作し続けるため、モーター制御関連のタスクはコア0で、ネットワーク関連のタスクはコア1で、それ以外のタスクはコアの負荷状況により最適なコアで、といった割付けができます。

RZ/T2M向けTOPPERS-Pro/FMP3システム構成例(SMP 構成)

SMP 構成例 1SMP 構成例 2

Dual core Arm Cortex-R5で TOPPERS-Pro/FMP3がSMP動作する例

各タスクは、動作しているコアを意識する事なく他のタスクと同期・通信可能。ネットワーク関連タスクはネットワーク用のコア、モーターコントロール関連タスクはモーターコントロール用のコアでのみ動作。他のタスクは負荷の小さいコアで動作、必要によりコア移動(マイグレーション)可能

また、TOPPERS-Pro/FMP3は、各コアでそれぞれ独立してRTOSを動かすAMP構成にも対応可能です。この構成では、モーター制御側、ネットワーク側と完全に分離された環境となるため、相互の干渉を最小限に留めた安全性の高いシステムを構築することができます。

RZ/T2M向けTOPPERS-Pro/FMP3システム構成例(AMP構成)

AMP構成例

それぞれのArm Cortex-R5コアでTOPPERS-Pro/FMP3がAMP動作する例

ネットワーク用のコア/RTOS/タスクと、モーターコントロール用のコア/RTOS/タスクがそれぞれ独立

TOPPERS-Pro/FMP3の主な特長

  • RZ/T2Mに対応済み
    Renesasスタータキットfor RZ/T2Mで動作確認済みのため、すぐに利用開始
  • SMP型リアルタイム OS
    SMP型のRTOSのため、ユーザーはマルチコアを意識することなくシステム構築可能。また、用途に応じてAMP構成にも対応可能
  • μITRON仕様準拠
    国内でもっとも普及しているμITRON仕様に準拠し、既存システムからの移行が容易

TOPPERS-Proシリーズ 製品ラインナップ