組込み向け高速・電源断ファイルシステム Reliance Nitro™ 独自技術で電源断からユーザーデータ、メタデータを守る組込み機器向け高速ファイルシステム
Reliance Nitro は、従来の FAT や各種ファイルシステムとは異なり、特に、ストリーミングデータなどの大容量データを扱う場合や一つのディレクトリにファイル数が多い場合に比類ない“高速性”を発揮するとともに、突然の電源断の場合でもファイルデータとディレクトリ情報を100%保護する“高信頼性”をかねそなえた新しい次世代型ファイルシステムです。
主な特長
- 電源断機能(トランザクション方式)
独自トランザクション方式で実装しているため、突然の電源断やクラッシュが発生した場合でも、100%データを確実に保護します。 - エクステント方式(ファイルアロケーション)
大容量のファイルを扱うのに適したエクステンド方式を採用しています。 - 高速起動
ジャーナリング方式とは異なり、独自ロジックで実装しているため、ログ領域は不要です。クラッシュが発生した場合でもチェックディスク等が不要なため、高速起動を実現しています。 - 高速ファイル検索には有利な、ツリーベース構造でメタデータを管理しています。
- JEDECのeMMC規格のセキュアイレースをファイルシステムレベルでサポートしています。
- アプリの設計に合わせてトランザクションを設定できる、拡張豊かなAPIを用意しています。
- 各種OS標準のFATシステムとの共存もしくは置き換えが可能です。
- UTF-8ファイル名をサポートしています。
- Linux版においては、ルートファイルシステムとして機能する事が可能です。
- 米国特許技術(特許番号 7284101)
アーキテクチャ
ターゲット製品 / 対応製品 / 互換性など
- どのようなストレージデバイスにも対応
ハードディスク、SSD 、eMMC / eSD / NOR / NAND / MLC NAND などのフラッシュメモリ、RAM ディスク、リムーバブルメディアカードなどの様々なストレージデバイスでご利用いただけます。
以下ストレージデバイスご利用の際の、推奨併用製品
「FlashFX Tera」:NOR/NAND 両方に対応したフラッシュメモリソフトウェアドライバ - FAT を使用しない独自フォーマット
独自フォーマットのため、簡易セキュリティとしてご利用いただけます。Windows7(32bit/64bit)/Vista/XP 対応ドライバユーティリティを利用する事で、PC とのデータ交換が可能となります。 - CPU/OS 非依存 (ソースコード)
各種 OS 対応版 : Windows CE、Windows Mobile、Windows Embedded Compact 7、VxWorks、Linux
その他、ITRON などあらゆる OS に対応可能な RTOS 版。 - 開発製品の小型化
Reliance Nitro を利用することで、ファイルシステムレベルでの電源断対応が可能になり、ファイルシステムの破損を防ぐために必要としていた大容量コンデンサーやUPSなどを大幅に小型化できます。 - 評価キットは無償で提供(ソースコード)
主な用途(アプリケーション例など)
※eMMCのセキュアイレースに対応しているため、ファイルシステムレベルから
メディアに存在するデータを削除可能です。
技術サポート体制
弊社では、充実したサポート体制でお客様をサポートいたします。 開発段階の技術的な疑問に、電話やメールでお答えいたします。Reliance Nitroサポート専任スタッフにより、お客様の開発を強力にサポートいたします。
移植・チューニング
弊社が提供するソフトウェアの移植サービスやアプリケーションの開発受託サービスなどを別途承っております。開発期間が短い場合や、エンジニアリングリソースが不足している時など、お客様に代わり経験豊富なエンジニアが移植、開発作業を行います。詳細につきましては、お問い合わせください。
【技術コラム】ファイルシステムの電源断対応方式
組込み機器では、ユーザーによる手順を無視した電源OFF、バッテリー引き抜きなどのため、また車載機器ではエンジン停止とともに電源の供給も止まるため、常に丁度良いタイミングで電源OFFとなる保証がありません。
電源断は、そのタイミングによっては記憶媒体上のデータ破損の原因となることがあります。最悪の場合、システムが二度と起動できなくなることもあります。
通常、記憶媒体上のデータは「ファイルシステム」が管理しています。ファイルシステムによる電源断への対応方法は、大きく分けて2つあります
処理方法 | 電源断発生後の再起動時はどうなる? | |
---|---|---|
ログ方式 | ファイルシステム処理をログ領域に書き込み、特定のタイミングで実ファイルシステム領域へデータを反映 | 実ファイルシステム領域と、ログ領域の差分を確認する必要があり、電源断発生のタイミングによっては、起動時のチェック処理の負荷が大きくなる |
トランザクション方式 | データの正副を管理し、トランザクションポイントにて切り替える 前回のトランザクションポイントまでのデータを保証 | 最終トランザクションポイントから開始するので、ファイルシステムのチェックディスクは不要。そのため、電源断の有無に関係なく常に一定時間で起動できる |
ファイルシステムを選ぶ際には、データ管理方法だけでなく、電源断時のデータ保護機能も考慮する必要があります。電源断発生後にシステムが再起不能に陥るといった最悪の事態を回避するためには、電源断対応方式の確認は最重要項目と言っても過言ではありません。
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