SD カード用デバイスドライバー SDドライバ Pro SD・SDHC・SDXC カードに対応したドライバー。UHS-I(バスモード)をサポート。主要 SD コントローラーに対応

SDドライバ Pro は、機器組込み用に設計された SD カード用デバイスドライバーです。

従来の SD カード(2GB まで)や SDHC カード(4GB 以上 32GB まで)に加え、32GB 以上 2TB までの SDXC(eXtended Capacity)カードに対応しています。SDXC では、新規格「exFAT」が採用されました。ユビキタスAI では、exFAT ファイルシステム「HE-exFAT」や従来の FAT ファイルシステム「HE-FILE」と共に、SD カード用ドライバーを提供します。CPU/OS に依存しない設計で、ソースコード提供のため、さまざまな環境で使用できかつ短時間で SD カードを組込み機器に搭載することができます。

アーキテクチャ

SDドライバ Pro のブロック図

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主な特長

  • SDSC 対応
    従来の SD カード(2GB まで)に対応しています。
  • SDHC 対応
    4GB 以上 32GB までのカードに対応しています。
  • SDXC 対応
    32GB 以上 2TB までのカードに対応しています。
  • 準拠する SD Specifications
    SD Specifications Part 1 Physical Layer Specification Version 3.00
  • カードのロック / アンロック機能サポート
  • 2 ポート処理のサポート
    SD カードと SDIO モジュールの同時制御が可能です。
  • UHS-I(Ultra High Speed)に対応
    高速転送のバスモード仕様である UHS-I をサポートしているため、組込み機器でも高速な読み書きが可能です。
  • 各種 SD ホストコントローラー対応
    SDA 標準系コントローラー、SoC 内蔵タイプの各種ホストコントローラー
  • SDA 規格に準拠したコマンド、プロトコルをサポート
  • 省電力設計
    カードアクセス前後でのクロック駆動・停止が可能です。
  • コンパクトサイズを実現
  • 充実した回帰試験用テストプログラム付属
  • 高い移植性
    CPU/OS 非依存設計。RTOS なしの環境での動作も可能です。
  • 保守・カスタマイズが安心
    C 言語ソースを提供します。

対応 SD ホストコントローラー

SDドライバ Pro は、下記 SD ホストコントローラーへの対応実績があります。

  • XP 製 i.MX21、i.MX257、i.MX31、i.MX6、i.MX7D、i.MX8MM 内蔵 SD ホストコントローラー
  • STマイクロエレクトロニクス製 STM32F4、STM32F7、STM32L4 内蔵 SD ホストコントローラー
  • ルネサスエレクトロニクス製 SH シリーズ内蔵 SD ホストコントローラー
  • ルネサスエレクトロニクス製 RZ/A1、RZ/A2M 内蔵 SD ホストコントローラー
  • アルテラ製 Cyclone V 内蔵 SD ホストコントローラー
  • TI 製 DM シリーズ内蔵 SD ホストコントローラー
  • シキノハイテック製 SSQ-3000 SD ホストコントローラー
  • リコー製 R5C807 SD ホストコントローラー
  • パナソニック製 MN5774 SD ホストコントローラー

※その他の SD ホストコントローラーについては、別途受託開発を承っております。お気軽にお問い合わせください。

SDA 仕様準拠の FAT フォーマッタ「SDフォーマッタ Pro」と連携可能

SDA(SD Association)の「File System Specification」に準拠した FAT フォーマッタである「SDフォーマッタ Pro」と連携動作が容易。「SDフォーマッタ Pro」によりFAT12/FAT16/FAT32 に加え、SDXC カードで必要となる exFAT 形式へのフォーマットが可能です。

主な用途(アプリケーション例など)

  • ミュージックプレーヤー
  • デジタルカメラ
  • カムコーダー
  • プリンター
  • カーナビ
  • カーオーディオ
  • 計測機器
  • 医療機器

ユーザーメリット

SD 規格は、汎用メモリーカードの接続インタフェースとしてデファクトスタンダードとなっています。もともとは民生機器向けに策定された規格ですが業務用機器や産業用機器・医療用機器などにも幅広く使われています。メモリーカード接続用途だけでなく SDIO 規格として周辺 I/O を接続するため、特に無線 LAN モジュールや Bluetooth モジュールとの接続などにも広く使われています。

互換性・接続性が特に求められる技術において長年の経験と数多くの実績は重要です。ユビキタスAI は、SD 規格の誕生から今日まで SD/SDIO ドライバー製品を開発・販売し続けており、民生機器をはじめ産業用機器・医療用機器など数多くの実績があります。

実績多数の SDドライバ Pro および SDIOドライバ Pro は、お客様の製品の品質向上とトラブル低減に寄与します。

技術サポート体制

1年間の技術サポートを有償で提供します。開発段階の技術的な疑問に、メールでサポートします。製品を熟知した専任サポートスタッフが、お客様の開発を強力にバックアップします。

移植・チューニング

お客様のハードウェアへの移植や、チューニングなどのエンジニアリングサービスを別途提供しています。デバイスドライバーは、ハードウェアに直接触れる最下位層をチューニングすることにより、カードへのアクセススピードを高速化することができます。詳細は別途お問い合わせください。

技術コラム

【技術コラム】SDカードのライトプロテクト

SD カードは、側面にライトプロテクトスイッチを装備しています。
これは、ユーザーが SD カードへの書き込みを行いたくない場合、LOCK 側にスライドさせることで「書き込み禁止」の意思表示をするためのものです。

スイッチ位置は、SD カードソケットを介してホスト側がモニタします。LOCK 側にあれば、ホストは書き込み禁止の SD カードとして取り扱う必要があります。

ライトプロテクトスイッチは単に物理的にスライドするだけで、SD カード内部との電気的関連はありません。このため、書き込みを行わないようにするのはホスト側の責任となります(カセットテープやビデオテープのツメを折ってあれば、デッキが書き込み禁止と判断し録音ボタンが押せないのと似ています)。

ライトプロテクトスイッチで書き込み禁止の意思表示をしても、ホスト側で意図的に無視して書き込み可能にしてしまうこともできるため、ホスト側での適切な対処が求められます。

なお、SD カードに装備されているライトプロテクトスイッチですが、mini/microSD では筐体を小さくしたため、これに該当するスイッチはありません。

また、書き込み禁止(≒リードはできる)とは異なるうえ、一般的にはあまり活用されていないようですが、SD カードには、CMD42 による Password を使った「Card Lock/Unlock Operation」というものも存在します。パスワードを設定すれば、書き込みだけでなく読み込みも含むデータアクセスができなくなるというものです。

関連製品:SDIOドライバ ProSDフォーマッタ Pro