ドメイン間 同期・通信 TOPPERS-Pro MDCOM ホモジニアス/ヘテロジニアスマルチコアの組込みシステム間の同期・通信を実現
「TOPPERS-Pro MDCOM」は、NPO法人TOPPERSプロジェクトが開発したOS間/コア間同期・通信を実現するソフトウェア「MDCOM」をベースとした商用ソフトウェアです。MDCOMは、ホモジニアス/ヘテロジニアスマルチコアの組込みシステム間の同期・通信を実現するソフトウェアモジュールです。
近年、高い信頼性やリアルタイム性を持たせつつ、豊富な機能を実装しなくてはならない組込みシステムが増えてきています。これに対応するシステムの実現には、RTOS(リアルタイムOS)とLinuxやAndroidを1つのプロセッサで協調動作させることが現実的な解決策です。そのような2種類のOS(ここではこれをドメインと呼びます)を実行させるためには、ヘテロジニアスマルチコア搭載プロセッサにそれぞれOSを実装する方法や、TOPPERS-Pro SafeGのような仮想化機能を用いる方法があります。
MDCOMは、以下の2種類のチャネルを提供し、このチャネルにより、RTOS「TOPPERS-Pro」とLinux/Androidの複数のユーザプロセスと、タスク間で同期・通信を行うことが可能です。
- SMEM Channel
- 共有メモリを提供するチャネル。排他制御のためのロックも提供します。
- FIFO Channel
- FIFO 通信のためにチャネル。イベント通知機能も提供します。
主な特長
- TOPPERS-Proを含むRTOSとの親和性が高いAPI
- ゼロコピーのため高速かつCPU負荷が小さい
- 静的コンフィギュレーションによりチャネルを生成するため、動的なメモリ管理が不要
- Linux用のドライバを標準で提供
- Linuxのユーザプロセスで共有メモリやバッファをマッピング可能なため、効率的な通信を実現
対応環境
対応CPU
- Arm Cortex-Aシリーズ、Arm Cortex-Mシリーズ、Arm Cortex-Rシリーズをコアに持つヘテロ/ホモマルチコア構成の CPU
- その他のCPUについてはご相談ください
OpenAMP との違い
TOPPERS-Pro MDCOMと同じような仕組みとして、OpenAMPがあります。OpenAMPは仕様・実装として、組込みプラットフォームで活用するには以下の問題があります。
- 通信の開始や終了をLinuxしか担えず、リアルタイムOS側での制御ができない
- エラー時のタイムアウト時間が15秒の固定値である
- 同時に通信できるチャネルが1つしかない
- ユーザーアプリケーションレベルの通信が不可能である
- virtioによる通信バッファサイズの制限を受ける
TOPPERS-Pro MDCOMは、これらの問題を解決しており、ドメイン間の同期・通信処理を高速かつ柔軟に実現したい組込みプラットフォームに最適です。
技術サポート体制
専任の担当者による技術サポートを提供いたします。
移植・チューニング
別途、ユビキタスAIが提供するソフトウェアの移植サービスからアプリケーションの開発受託サービスなどのご提供が可能です。開発期間が短い場合やエンジニアリングリソースが不足している時など、お客様に代わり経験豊富なエンジニアが移植、開発作業を行います。
関連製品:TOPPERS-Pro/ASP3、TOPPERS-Pro/FMP3、TOPPERS-Pro/HRP3、TOPPERS-Pro/HRMP3、TOPPERS-Pro SafeGシリーズ